ゴルフは自己申告のスポーツ。ほかのスポーツ、たとえばサッカーの場合は審判がいて、ファウルかどうかは審判が判断します。でもゴルフには審判はいません。つまり、判断はすべて自分。うっかりルールに違反しても、黙っていればゴマかせてしまうわけです。これが、ゴルフが紳士・淑女のスポーツと呼ばれる理由。ルールをしっかり頭に入れておくことは、一人前のゴルファーになるための必須条件。ここでは、コースに出るために押さえておきたい5つのルールをご紹介します。
素振りでボールに当たったら?
最初のティショットは誰もが緊張するもの。不安のあまり、ボールの横で入念に素振りをする人がいますが、かえって余計に力が入り、練習通りのショットができなくなってしまいます。素振りはやりすぎないようにしたほうが、案外リズムもよくなって、ナイスショットが出るものです。
さて、うっかりボールに当たってしまった。これは1打にカウントされるのでしょうか? 正解はノー。打つ意志のない素振りはあくまで練習スイング。ペナルティなしで、もう一度ティアップして打つことができます(ただし2打目以降は「インプレーのボールを誤って動かした」ことで1打罰が科せられる)。
一方で、打つ意志のあるスイングの場合は、たとえボールに当たらなくても1打がカウントされます。いわゆる空振りですね。違いは「打つ意志」があるかどうか。つまりペナルティをつけるかは自分次第というわけですが、打つつもりでスイングしたかどうかは、周りはだいたい分かるもの。ごまかす事無く、正直に申告しましょう。
OBは1打罰? 2打罰?
打ったボールが白い杭よりも外に出てしまったらOBとなり、同じ場所から打ち直さなければいけません。よく「OBを1回打ったら最後に2打を足せばいい」と言われるので、OBは『2打罰』だと思っている人も多いかもしれませんが、それは間違い。正しくは、『1打罰で打ち直し』です。つまり、1打目がOBだったら1打の罰を加えて次は3打目、3打目もOBなら次は5打目となるわけです。
ところで多くのコースには、セカンド地点に黄色いマークで示された特設ティー、通称「前4」があります。「前4」があるホールでは、OBでもティグラウンドから3打目を打ち直す必要はなく、前方の特設ティから4打目として再スタートすることができます。
ちなみに特設ティーはティーアップできるので、ドライバーを握ってもOK。特設ティーの位置まで辿り着くのに4打以上かかってしまうことも多い初心者には、案外ありがたいシステムといえます。
触っちゃダメ! とは限らない
ティーショットを打ち終わったら、カップインするまでボールは「インプレー」となり、勝手に触ったり動かしたりしてはいけません。ただしいくつかのケースでは、ボールに触ってもペナルティはありません。たとえば、ボールが排水溝やカート道などの人工物の上にあるとき。ボールがピンに近づかず、かつその障害物を避けられる最も近い場所を「ニアレストポイント」と定め、そこからクラブ1つ分の長さの範囲にボールを動かすことができます。またバンカーの砂にボールが埋まってしまい自分のボールか確認できないときは、マークしてボールを拾い上げることができます。ただし確認したら、元の状態に戻さなければいけません。
またコンペなどでは、「6インチプレース」と呼ばれる特別ルールが設定されているケースも。これは、インプレーのボールでも、6インチ(約15センチ)まで自由に動かせるというもの。こうしたルールは積極的に活用していきましょう。
バンカーもハザードの一種
初心者にとっての一番の大敵はバンカー。ボールが砂の上にあることはもちろんですが、「クラブを砂につけてはいけない」というルールの存在も、バンカーが難しく感じる要因のひとつでしょう。これは慣れの問題ですが、たとえば練習場でボールを打つとき、クラブをマットにつけず、最初からヘッドを浮かせた状態で打つ練習をしておくと、苦手意識が薄れるかもしれません。
いずれにせよバンカーは、池などと同じく「ハザード」の一種。つまりプレーヤーが思い通りにプレーすることを妨げるために設計者が用意したトラップというわけなので、そのワナに引っかからないように頭を使って攻めること、そして入ってしまったら自分のミスを認め、ムリせず脱出することを最優先させることが重要です。
ピンは誰が抜く? 誰が持つ?
全員のボールがグリーンに乗ったら、ピン(旗竿)を抜きます。ピンが差さった状態でパットをして、ボールがピンに当たると、たとえカップインしても2打罰となってしまいます。ボールがカップから遠く、ピンがないとカップの位置が見えない場合は、同伴者にピンを支えてもらい、打った直後に抜いてもらうようにすればOK。
基本的には、ボールがピンに最も近く寄った人がピンを抜くのがマナー。ピンを抜いたら、グリーンエッジなど、パッティングの邪魔にならない場所に静かに置きます。そして最初にカップインした人がピンを持って待機し、全員のパットが終わったらピンを差します。キャディさんや目上の人がピンを持っていたら、代わりに持ってあげましょう。こういうさりげない気遣いも、ゴルフでは大切です。
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