
ラウンドしていると、同じグリーン周りからのアプローチでも、「左足上がり」「左足下がり」「つま先上がり」「つま先下がり」とさまざまな傾斜があります。今回はそんな傾斜地からのアプローチショットを成功させるためのポイントをご紹介します。
「左足上がり」は球の上がりすぎに注意
グリーンが周りよりも高くなっている「砲台グリーン」のホールでは、左足側が高い「左足上がり」の傾斜地からアプローチするケースが多くなります。まず注意すべきは番手選び。仮に普段のアプローチで58度のウェッジを使っていて、左足上がりの傾斜が10度だとすると、実質的なロフトは68度になります。そうすると、うまく打ててもいつもよりボールが高く上がりすぎて距離が出ず、グリーンにさえ届かない可能性もあるでしょう。
そのため普段58度のSWを使っている人は52度のAWに、AWを使っている人はPWにするなど、1つ大きな番手を選びましょう。打ち方は、傾斜に対して体が垂直になるように構え、ヘッドをボールや地面に対して、緩やかな角度で入れていくイメージで振り抜いてください。
よくあるミスとして、傾斜に逆らうように左足側に体重をかけすぎると、クラブがボールや地面に対して、急な角度で振り下ろされて、振り抜きにくくなったり、ダフリなどのミスにつながります。左足上がりはボールが上がりやすいので、自分でボールを持ち上げようとする動きは厳禁です。
「左足下がり」はグリーンオンを最優先
傾斜地の中で最も難しいのが「左足下がり」。とくにグリーン奥の左足下がりからは、ボールが止まりにくいので、非常に難度の高いアプローチになります。そのため、左足下がりにボールが止まったら、ピンに寄せようとは思わず、グリーンの真ん中に乗れば十分という気持ちで打つことが大事です。
最もやさしい打ち方は、スタンスを広げずに両足を揃え、ボールを右足の外(右)側あたりに置き、クラブを短く握って構えます。そして、ボールを高く上げようと思わず、傾斜なりに低く振り抜いていきます。
こうすると、出球は低くなりますが、ダフリやトップなどの痛いミスは出にくくなります。小さい振り幅で、グリーン手前のカラーにワンクッションさせるイメージで転がしていくと案外ピンに寄ってくれます。
ピンの位置が近く、どうしても高い球で止めたい場合には、フェースを開いてスタンスを広げ、ロブショットのように打つ打ち方もあります。
この場合は、できるだけスタンスを広げて下半身を安定させ、傾斜なりに左足体重で構え、フェースを開いて思い切りよく振り抜きます。やはりリスクが高いショットになるので、一か八か、勝負をかけたい時以外はオススメしません。グリーンの乗せることを最優先にしたミスの少ない打ち方を選択しましょう。
「つま先上がり」&「つま先下がり」は前傾キープ
グリーン周りでは極端な「つま先上がり」(つま先側が高い)や「つま先下がり」(つま先側が低い)になるケースは少くありません。もしそのような傾斜に遭遇した場合は、上体の前傾角度を崩さないようにスイングすることが重要になります。
つま先上がりでは、ボールと体の距離が近くなるため、そのぶんクラブを短く持ちましょう。ボールの手前をダフりやすいので、いつもより少しボール位置を右にして、上体の前傾を最後までキープしたまま振るようにします。
ボールを高く上げようとすると、インパクトで体が起き上がってしまいやすいので、低い球を打つイメージでフォローを低く長く出していくようにします。つま先下がりの場合はボールが体から遠くなりますが、膝を曲げたりクラブを長く持ったりするよりは、上体の前傾を深くして構えるほうが良いでしょう。
つま先上がり同様、フォローを低く長く出すイメージで振ることで、体が起き上がってトップしてしまうミスを防ぐことができます。
また、つま先上がりの場合はボールが目標より左に、つま先下がりはボールが右に飛び出しやすいので、それを考慮して狙う方向を決めることも大切です。
どの傾斜でも、ミスを防ぐにはアドレス作りが最も重要になります。4つの傾斜の構え方のポイントをしっかりと押さえておきましょう。

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