
ゴルフスイングは「体重移動が大事」とよく言われますが、そもそも体重移動とはどのような動きのことをいうのでしょうか。今回は体重移動のしくみと、正しい体重移動を身に付けるためのポイントをご紹介します。
トップで右に乗り、フィニッシュで左に乗る
ゴルフスイングでは、トップで体重を右足に乗せ、フィニッシュで体重が左足に乗っていることが不可欠です。
もう少し細かく見ていくと、まずアドレスでは左足と右足に均等に体重がかかった状態(左5:右5)が基本になります。バックスイングで体重を右足側に乗せていき、トップでは左3:右7ぐらいのイメージ。そして切り返し(トップからダウンスイングへと切り替わる瞬間)で体重を左に移し、インパクトで再び左5:右5。フィニッシュでは完全に左足に体重が乗っていきます(左10:右0)。
この、真ん中から右、そして真ん中に戻り、最後に左という一連の流れを、「体重移動」と呼んでいるのです。
リバースピボットに注意
野球やテニスなど、「振る」スポーツを経験している人は、意識しなくてもこの体重移動がうまくできる人が多いのですが、そうでない初心者の場合は、まずこの体重移動がうまくできないケースがあります。
特にありがちなのが、トップで右足にうまく体重を乗せることができず、むしろ左足に体重が乗ってしまい(左6:右4)、インパクトで逆に右に体重が乗ってしまう(左4:右6)、いわゆる「リバースピボット」のスイング。これではボールにうまく力を伝えることができず、弱々しい球筋になってしまいます。
「下半身リード」が大事
体重移動がうまくできない原因は、上半身の力に頼った「手打ち」のスイングになっているケースが大半です。
特にトップからの切り返しでは、まず左足を踏み込んでから腰を回し、それにつられて最後に腕が振り下ろされるという「下半身リード」が基本で、これによって右から左へとスムーズに体重移動できるわけですが、切り返しで腕が先に動いてしまうと、左への体重移動が行われず、右足に体重が残ったままになりやすくなります。
足踏み素振りでコツをつかもう
正しい体重移動を覚えるには、「足踏み素振り」が効果的です。
最初はクラブを持たず両腕をダランと垂らした状態からスタート。そして右足を上げて右足を下ろし、右足を踏み込んだと同時に両腕を大きく右に振ります。そして両腕を右に振ると同時に今度は左足を上げ、腕が上がりきる直前に左足を下ろします。左足を踏み込んだら、足の動きにつられるように腕を左に振っていき、今度は右足を上げます。そして上げた右足を踏み込むと同時に、再び腕を右に振り戻していきます。
このようにして、右足を踏んで腕を右に振り、左足を踏んで腕を左に振る、という動きを繰り返すことで、体重移動と下半身リードの両方を体に染み込ませることができます。これができるようになったら、今度はクラブを持って同じように足踏みしながら素振りをします。
実際のスイングでは足を上げることはしませんが、意識としては足踏みをしているようなイメージで振ることで、右足に乗って左足に乗るという体重移動の感覚をつかむことができるはずです。
体重移動が正しく使えるようになれば、ボールに力が伝わり、飛距離はアップするでしょう。まずは足踏み素振りでコツをつかむことから始めましょう。

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