ひとくちにボールといっても、その種類は千差万別です。市場には何百という種類のボールが出回っており、どのボールを選べば良いのか悩ましいところ。今回は、ボールの種類とその特徴、そして初心者はどのようなボールを選べば良いかについてお話しします。
ボールは多層構造になっている
ボールは外から見た感じではどれも同じに見えるので、なぜそんなにたくさんの種類があるのか疑問に思う人も多いかもしれません。ボールの違いを生んでいるのは、中身の構造と素材にあります。輪切りにした断面図を見ると分かりやすいのですが、ボールはいくつかの層に分かれています。
中心部にあるのが「コア」、外側を覆っているのが「カバー」、その間が中間層と呼ばれ、いくつの層に分かれているかによって2ピース、3ピース、4ピース…と呼ばれます。
基本的に、多くの層に分かれ構造が複雑なボールほど、性能に優れ、値段も高くなる傾向にあります。
飛距離重視かスピン重視か
ボールの特徴は、中央部のコアと外側のカバーの硬さが大きく影響します。コアが柔らかくカバーが硬いボールは「ディスタンス系」と呼ばれ、パワーがなくても飛距離が出やすい反面、スピン量が少なくグリーン上では止まりにくい性質があります。
一方コアが硬くカバーが柔らかいボールは「スピン系」と呼ばれ、飛距離性能は劣るもののスピン性能に優れています。スピン量の多いボールは、球を曲げたりグリーン上でピタッと止めたりと球筋を操りやすいため、プロや上級者に好まれます。しかしスピン量が多くなり、球が曲がりやすくなるため、スイングが不安定で球筋が安定しない初心者はスピン系よりもディスタンス系を選ぶと良いでしょう。
また現在ではコアが柔らかいディスタンス系でも、カバーに柔らかいウレタン系の素材を使用し、アプローチで十分なスピンを得られるボールも増えてきており、スピンも欲しいけど飛距離も欲しいというシニアの上級者の間で人気を集めています。
1個800円のボールも!
性能の高いボールはそれだけ値段も高くなります。たとえばプロや上級者の間で人気の高いボールは、1個800円という高級なボールも存在します。
初心者だけでなく、経験者でも球筋が安定しないゴルファーは、池に落としたり、OBに打ち込んだりと、1ラウンドで1ダース以上ボールをなくしてしまうケースもあります。下手をするとボール代のほうがプレー代よりも高くついてしまいます。そこで最初のうちは、ゴルフショップやクラブハウスの売店で買える「ロストボール」のセットはオススメです。コースの池や茂みの奥で紛失したロストボールを集めたもので、品質によって10球1000円や30球1000円など、新品に比べると安価でで売られています。スイングが安定して、ボールをなくすことが少なくなったら、またボールによる違いが分かってきたら、飛距離重視か、スピン重視かなど、自分の求める性能を持ったボールを選ぶようにすると良いでしょう。
ゴルフクラブと同じで、ボールも各メーカーがしのぎを削って改良を重ね、性能は年々進化を続けています。ただし、その違いを感じるには、ある程度ボールを芯でとらえられる技術や経験が必要です。まずはロストボールや安価なディスタンス系のボールで腕を磨き、スピンの必要性を感じるようになったらスピン系のボールを試してみるというのが良いでしょう。