コナミスポーツマスターインストラクター大石鉄也のサッカーコラム SOCCER COLUMN by Tetsuya Oishi

サッカー育成指導に対する私の拘り

vol.94 | 2021/1

2021年がスタートしました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

毎年1月のコラムでは、新年の抱負として、私のサッカー育成指導に対する拘りについてお話しさせていただきます。

■私のサッカー育成指導に対する拘り
私がサッカーの育成指導に携わるようになって16年経ちましたが、指導に対する拘りは、当初から現在まで全く変わっていません。
“個人技術を身に付けることが大切で、技術が身に付くことでサッカーがより楽しくなる”ということです。

子どもたちがサッカースクールに通う目的はさまざまです。
プロサッカー選手を目指したい、所属チームでレギュラーになりたい、サッカーが好きだからはじめてみたいなど、子どもたちの目的はさまざまでも共通していることは、サッカーが上手くなりたい、サッカーを楽しみたいということだと考えています。そのためには、ボールを扱う個人技術を身に付けることが大切であるということです。ボールを扱う技術が身に付かないと、年齢を重ねる毎にサッカーがつまらなくなってしまうと考えています。
私たち指導者は、子どもたちに対してサッカーの楽しさや魅力を存分に伝え、生涯、サッカーを好きでいてもらうことが使命だと思っています。
そのためには、子どもたちがボールを思ったように扱える技術を身に付けることが大切であると考え、そこに拘って、この16年間、指導に携わっています。


■技術を身に付けるための練習
練習は、サッカーにおいて基本となる『リフティング』・『ドリブル』の技術練習に特化した指導を実践しています。
リフティングとドリブルには、サッカーをプレーするうえで非常に重要な要素が含まれています。
リフティングは、ボール感覚を掴む・ミートする・吸収するなど、キックやトラップの技術習得に繋がります。
ドリブルは、さまざまな足の部位を使いながら、思い通り自由自在にボールを扱うボールコントロールの技術習得に繋がります。
どちらも基本的な練習ですが、技術習得のために非常に重要な要素であり、その技術を身に付けることを大切に考え、そこに特化した練習を実践しています。
これまでもコラムの中で繰り返しお話していますが、これらの技術習得をするためには、練習をひたすらに繰り返すことが大切です。
何万回、何十万回、何百万回・・・と幾度となく繰り返し、できるだけ多くボールに触れることが大切であり、子どもたち1人1人のレベルに合わせ、リフティングとドリブルの練習目標を設定し、少しずつでも何がどのようにできるようになっているのか上達の度合いがわかる仕組みを使い、“できた喜び”“達成感”を実感しながら練習に取り組むことができるようにしています。


■風間八宏氏の名言から
『サッカーはお前らがやるものだ。絶対にやらされちゃいけない。やらされるんじゃない。』
ヒントを与えたうえで「俺の言うことなんか聞かなくていい。もっと違うプレーで俺を驚かせてみろ。」
という風間八宏氏の名言があります。
私もすごく共感します。やらされちゃいけない。やらされるんじゃないといった言葉は、選手は監督のロボットではない自らが考え、イメージすることだと思っています。
人が予想もしないアイデアで観客を魅了することができる選手がたくさん出てきてほしいと思っています。
技術の高い選手はたくさんいますが、超一流のレベルにいくためには、その技術を試合中にどう活かすかが問われます。最初からパスをしようとしてパスをする、ドリブルをしようとしてドリブルするなど、分かり切ったプレーをするのではなく、やはり、サッカーは相手との駆け引き、言葉は悪いですが、相手をいかにだますかが重要だと思います。
面白い発想は、人の真似ばかりしていては絶対に身に付きません。例えば、普段のドリブル練習から、どれだけいろいろなプレーができるか、どれだけ挑戦してみるかが、自分なりのアイデアを生むきっかけをつくってくれます。

基本的な技術にアイデアが加われば、プレーの幅が広がります。そうなると自分自身が楽しくなり、見ている人も楽しませ、感動を与えられるようになります。技術のある上手な選手はたくさんいますが、観客に感動を与えられる選手はまだまだ数少ないのではないでしょうか。皆さんが自分なりのアイデアを持って、自分の良さをたくさん出して、相手チームから警戒される選手になり、観客に感動を与える選手になってくれることを願っています。


■まとめ
私自身、子どもの頃は、がむしゃらにリフティング・ドリブルの練習をしていました。私が、今でもサッカーが楽しいと思い、大好きな理由は、この頃のリフティング・ドリブル練習があってそれなりに技術が身に付いたからだと思っています。
繰り返しになりますが、サッカーを習っている目的は、子どもたちによってさまざまです。
目的はさまざまでも、まずはサッカーを楽しむために共通して大切なことが、たくさんボールを触り、ボールを扱う技術を身に付けるということです。

そのうえで、プロを目指す子は、人一倍たくさんボールを触り、人一倍努力してさらなる技術を身に付けることが必要となり、さらに、たくさんのアイデアを加えて積極的にチャレンジしてほしいと思います。
プロは目指していないけど、友達と楽しくサッカーがやりたい、少しでも上手になりたいと思う子も同じく、個人技術をしっかりと身に付けることでサッカーがもっと楽しくなるはずです。
サッカーは、思ったところにボールを運び、思ったところにボールを止め、思ったところにボールを蹴ることができるようになることで、その楽しさ、魅力がより実感できるようになるはずです。
楽しさが実感できれば、きっと生涯楽しくサッカーを続けることができます。

サッカーを生涯好きで、楽しく続けていくために必要な技術を身に付けること、小学生の大切な時期に確かな技術を身に付けることで、中学、高校、大学、社会人になっても多くの仲間とサッカーを楽しむことができるはずです。
コナミスポーツクラブサッカースクールでは、今後も子どもたちが、生涯サッカーを好きで、楽しめるように、これからも『将来に繋がる技術習得』をコンセプトに、技術に特化した指導に拘っていきたいと思います。


プロフィール

大石 鉄也

1979年11月26日生まれ。静岡学園高等学校から川崎フロンターレ入団。(在籍8年)川崎フロンターレ在籍時代に1年間、ブラジルグレミオに留学。2004年に現役を引退。現在は、子どもたちへの指導を行いつつサッカースクールカリキュラム開発及び指導者の育成にあたる。