HOME INTRODUCTION COLUMN INTERVIEW MESSAGE






1 | 2 | 3


後にアドベンチャーゲームの最終形態とまで呼ばれることになる「ポリスノーツ」のファーストリリース版(PC9821版)が発売されたのは1994年のことであった。

デビュー作「メタルギア」から最新作「メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ」に至るまで彼が手がけた作品全てが高い評価を受ける小島秀夫。彼の全作品には特徴的ないくつかの要素が一貫して織り込まれている。
膨大な資料と取材に基づいた緻密な世界設定、テーマ性の高い脚本、ユニークなゲーム性。ゲームというメディアで作家性を表現できる彼の才能は世界中のユーザーから熱狂的な支持を受け、作品を重ねるごとにその評価を高めていった。

そして彼の作家性がもっとも具現化された作品のひとつが「ポリスノーツ」だ。
「ポリスノーツ」はプレイヤーが探偵ジョナサン・イングラムとなって近未来のスペースコロニーを舞台とした壮大なスケールの事件を追うアドベンチャーゲームであり、その完成度は発表から10年近く経った今でもまったく色褪せることはなく、真に名作と呼ばれるに相応しい作品となっている。
今でこそハードの性能に後押しされ「映画的な手法」を取り入れたゲームは巷に溢れているが、小島秀夫はデビュー作から、現行機種から見ればはるかに見劣りする当時のハードでその技巧を試みようとしてたのだ。

小島秀夫が「スナッチャー」で取り入れた映画的手法は「ポリスノーツ」で更なる進化を見せ、「メタルギアソリッド」シリーズへと継承されていくことになるのだが、彼が築き上げた手法は業界全体にも影響を与え、その後の映画的手法を取り入れた多くのゲーム作品の道標となるものであった。





Next