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ポリスノーツはもっとも難産だった作品である。
企画立案から最初の商品化(9821版発売)に至るまで4年もの歳月を有した。
その後、次世代移植された3DO版、PS版、サターン版を含めると足かけ6年にもなる。
その間、所属部署も3度変わり、組織も立場も環境も幾度となく変わった。
勿論、時代(ベルリンの壁が消滅し冷戦構造が崩壊する等)も大きく動いた。
予想だにしなかった大震災にも見舞われた。

その激動の6年間、憑かれたようにポリスノーツを創り続けた。
幾度となく、プロジェクトは座礁しかけたが、不思議なことに挫折は一度もなかった。

なぜあれほどの期間、一つの架空世界に集中できたのか?
ポリスノーツというたったひとつのADVゲーム創りに熱中できたのか?
正直なところ、いま振り返っても自分でもよくわからない。

唯一、言えるのは、当時の僕は「ただ作品を完成させる事だけ」に専念、注力していた。
「ポリスノーツを完成させる!」それだけを夢見て毎日を生きていた。
純粋にクリエーターとして過ごした贅沢な時代である。

その後、今の立場(経営者兼プロデューサー)となり、物創りの可能性は広がった。
しかし、当時のようにただ1つの作品創りに何年も浸りきることは二度と出来ない。
「ポリスノーツ」は僕がひたすら物創りだけを見つめて、制作し続ける事が出来た最後の作品であると言えよう。






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