STORY

ANUBIS

木星圏、アンティリア

pic01 爆発的な人口の増加、悪化の一途をたどる環境汚染、埋蔵資源の枯渇。もはや狭い地球で立ちゆかなくなった人類は宇宙への進出を開始する。
すぐ間近に浮かぶ月、火星だけでは居住と生産の枠組みを維持できず、ついには木星圏にまで開拓は及んだ。資源採掘支援基地として、木星の衛星エウロパ、そのラグランジュポイントL5に建設されたトーラス型スペースコロニー「アンティリア」は、民間人の生存域としては最果ての地となった。
採掘と輸送に従事する作業者およそ10万人。ここは反地球の姿勢をとる火星の州、バシリアカウンティの軍事組織「バフラム軍」の開発拠点ともなっていた。

新型オービタルフレーム

pic02 アンティリアは全人類にとっての前線基地であり、地球にも反地球にも与するものではなかった。
それ故、ダイモス事件で開発拠点を失ったネレイダス・ユニバーサル・テクノロジ(NUT)社とバフラム軍が、LEVを上回る人型の兵器、オービタルフレームの開発研究施設を置くことに適してもいた。
高度な戦闘能力とそれ以上の何かを秘めた二機の新型オービタルフレーム「ジェフティ」と「アヌビス」の存在を察知した連合宇宙軍(UNSF)は、アンティリアを武装占拠。ジェフティとアヌビスを奪った。

バフラムの襲撃

pic03 存亡をかけて開発したジェフティとアヌビスを奪還すべく、バフラム軍はオービタルフレーム中隊を差し向け、それまでアンティリアを占拠していた連合宇宙軍のLEV部隊をものともせず、瞬く間にアンティリアを武力制圧する。
ノウマン大佐を指揮官とし、ヴァイオラ・ギュネー中尉を副官とする、このバフラムの主力部隊は容赦なく火線を振りまいた。この混乱のさなか、コロニー在住の内向的な少年レオ・ステンバックは、友人たちの死を目の当たりにする。
彼らさえいなければもう苛められなくて済むと考え、しかも救えなかった己を責め、レオはその場から逃げ出してしまった。

ジェフティ、そしてADAとの接触

pic04 パニックに陥るうち、偶然にもジェフティに乗り込んだレオは、同機搭載のAI「ADA(エイダ)」に言われるがまま機体を操作、バフラム軍と交戦する。これによりレオは、ジェフティを奪取しようとするバフラム軍にとっての攻撃対象となった。
時を同じくしてジェフティとアヌビスの回収にあたっていた連合宇宙軍特務部隊アトランティス号の副長エレナ・ワインバーグは、レオにジェフティを軍事施設から宇宙港へ移送するように依頼する。新型オービタルフレームを持ち出せばバフラムはここからいなくなると説得されたレオは、宇宙港に待つアトランティス号へとジェフティを運び込むことを約束する。

脱出へ……

pic05 しかしまだ起動したばかりのジェフティは完全な状態ではなく、プログラムの不足を補うためにレオはコロニー内を探索する必要に迫られる。その途上で、レオは炎に包まれる居住区に、少女セルヴィス・クラインの姿を認めた。
彼女は孤児院の子どもたちが取り残されてはいまいかと確かめに行こうとしていたのだ。危機に直面する少女を救ったレオは、ふたりジェフティに乗り、連合宇宙軍との合流をめざす。戦火に巻き込まれた罪科なき少年と少女は、はたして無事に宇宙港へとたどり着けるのだろうか──。