ときめきメモリアル Girl's Side 3rd Story 特別企画!座談会 制作チームに気になるあれこれ聞きました。
メンバーはこの3人!!内田明理プロデューサー「ガールズサイド」シリーズ、プロデューサー。 谷口淳一ディレクター「ガールズサイド」シリーズ、ディレクター。 小松原里枝子チーフデザイナー キャラクターデザイン担当。
第1回 発売後の感想 シナリオ裏話第2回 新システム イベントについて第3回 キャラクターデザインについて第4回 ファッションについて
第2回 新システム・イベントについて
ADVイベントやW大接近といった新要素は、どのような試行錯誤があって、今の形になったのでしょうか。
ADVイベントは、初め2つの形式を検討していました。1つは特定の日付になったら強制的にシナリオが始まるタイプで、
もう1つは現在のタイプですね。
特定の日付になったらオープンするタイプは、たとえば8月になったら、強制的に内容が表示される仕組みだったんですが、話し合った結果、
それはやめよう、と。
あれをやってしまうと、視点があっちこっちにいってしまうので、わかりにくいんですよね。当時はADVイベント自体が受け入れていただけるかわからなかったですし、ゲームをしていて、わずらわしいと思われる可能性があるものは極力なくしていこう、となったんです。
それに現在の形だと、あとでいっぺんに秘密を知るという楽しみ方もできる、というところもありました。
お客様が自分のペースで読めたほうが、遊び方も広がるのかな、と思ったのもあります。
発売後にお客様の声を聞くと、すぐ見ている方もいれば、最後にまとめて見ている方もいるようなので、この形にして良かったですね。
ADVイベントは途中から追加した仕様だと伺っています。
ADVイベントは内田Pのひらめきでしたね。でも、あの瞬間は忘れられないですね。目をキラキラさせて「絶対面白いと思うよ!」って言っていたんですよ(笑)
そうだっけ?
えー、めちゃくちゃやりたそうでしたよー(笑)
恋愛シミュレーションではあまり見たことがないシステムだったので、ちょっとやってみたかった。あと、サブストーリー的なアドベンチャー要素を期待されているお客様がこれまでのシリーズでも数多くいらっしゃったので、絶対にいいだろうなと思ったんです。
あとはシナリオを書くときに、人物を説明するための人物を登場させることなく、情報を出せるというメリットがあるな、とも思いましたね。
結果的にどんどんシナリオが増えていきましたが……。
そうそう(笑)。
W大接近も含めて、今回は全体的に物量が多かったよね。
ボイスは5万ファイル以上入っています。
過去最多じゃない? 世界中探してもほかにないんじゃないかな?
ボイスは漏れがないかをチェックしなければならないのですが、それが大変で……。
本当だよね。さすがです(笑)
最後まで「本当にないよね? 漏れないよね?」ってしつこくチェックしていました。
間に合ってよかったよね(笑)
無事に着地できて良かったです(笑)
三角関係の導入からターニングポイントやモメ状態など、分岐の演出はどうやって決まっていったのでしょうか?
一番最初に、内田Pとエンディングの内容で場合分けをしたと思います。
三角関係で起こりうるエンディングっていうのはどういうのがあるんだろう、と話し合いながら書き出したんですよ。
3人と仲良しのまま終わる場合とか、どっちかがいなくなってしまう場合とか、そういったことでしょうか?
そうですね。よく覚えているのは「どっちかの男の子が不幸になりました。その子はそのままいなくなってしまいました」っていうのはないよね、という話をしていたことですね。
いろいろな分岐パターンを総当たりで考えて、これはない方がいいとか、これはこれと同じことにしたほうがまとまりがいいとか、そういった仕分けをしていましたね。
実はそのときの資料があるんですよ。
三角関係の分岐図


マメだね。ずいぶん前の資料だよね。2008年12月24日って!
でもこの話自体は、もっと前からあったよね。
そうですね。
たしか僕がホワイトボードにぐちゃぐちゃ書いて説明したんですよ。これを書き残して、こうしてまとめて残してくれているとは……。すばらしい!
こうやって、みんなでいろいろと打ち合わせて、三角関係の流れについて決めていきました。最初と最後は早い段階で決まっていたんですけど、真ん中のモメ状態とかは最後まで考えていましたね。
イベントシーンを生み出す際のコツとかありましたらお教えください。
僕のチームの場合は、「この人物には、こういうシーンやこういうビジュアルが必要だ」というのを最初に洗い出して、それを実現するためには、
どういうシナリオが必要だろうか、という考え方をしています。
シナリオありきでイベントシーンを作っていると思っていました。
僕のチームではイベントが先なんですよ。そうしないとイベントシーンに偏りが出てしまうんです。
イベントシーンが決まった状態でシナリオを書くので、ライターさんは作りづらいんですけど……。なんていうか、大喜利みたいなものですよ(笑)。こういうビジュアルを実現するには、こういう感じのシナリオがほしいよね、みたいな抽象的なシーン出しをしながら状況を作っていって、みんなで話し合って、「こういう風にしたら1つのお話になるんじゃないの?」という流れで決めていくんです。
ほかのゲームでもこのような手法を使っているんでしょうか?
多分ほかのゲームとは違うやり方なんじゃないかな。でも、僕はいつもそうなんですよ。
僕もこのチームに入って、初めてこの方法でやりました。
小松原さんに「このキャラ、どういう絵があればいい」って聞いて、シナリオを書くみたいな。
そういう流れだったので、私もビジュアル考えるときは、まず人を決めずに構図だけいろいろ切りました。
イベント構図案


この方法だと、絵のシーンの無駄がなくなってくるんですよね。シナリオありきでやっちゃうと、 「これ絵にする必要ないじゃん」とか「バストアップだけでいいよね」みたいなのが出てきたりするんですけど、そういったことは避けられますから。
先ほど「ライター的には作りにくい」というお話が内田Pからありましたが、私はこれはやっておいてよかったと思います。
シナリオ先行で書いていくと、どうしてもクドクドとなってしまう部分が出てくるんです。
でも、この方法だと「テニスをしている」とか「自転車二人のり」とかシーンが限られるので、話の流れがスッキリするんですよね。
僕の作品は、だいたいそんな感じなんですよ。プロット表にも「怒った顔のアップ。秋。」とかだけ書いてあって、お話でもなんでもないんです。
しかも秋かよ、みたいな(笑)
シナリオの元となるイベントシーンはどのように考えられているのですか?
ライターさん以外のチームスタッフも含めて、みんなでネタ出しをするんです。
カードにお題を書いて、たとえば「紺野先輩の見たいシーン」とか書いて、それに対する答えをカードに書くんです。
そして答えを書いたら、すぐに隣の人にカードを回します。そしたら、隣の人はまたその下に何かを書いていくんです。
こうすると、アイデアがどんどん出てきますよね。でも早く書かないと、どんどんカードがたまっていくんです(笑)


アイデア出しの様子

それはプレッシャーですねぇ(笑)
なので、なんでもいいからとにかく書くんです。紺野先輩なら「メガネ!」とか(笑)
そうやってアイデアが出てきたら、「かっこいい系」イベントとか、「情けない系」イベントとか、「お笑い系」イベントとかで分類するんですよ。
そして、みんなで寸評しあって、「これはいいよね」「これはないよね」とか話合うんです。
この方法だと、アイデアを人から切り離して、客観的に話ができるのがいいですね。
いいアイデアだと、みんながいじってくれるんですよ。「こうしたほうがいいよね」とか。そうやって1つのアイデアが大きくなっていく様子を見るのは楽しかったですね。自分が自信があるアイデアは、いろいろと付け加えながら説明したりして、推していきました(笑)
次回はキャラクターデザインの制作裏話を公開します!
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