ダイエットや健康維持など、筋トレにはさまざまなメリットがあります。そして年齢に関係なくトレーニングを重ねることで、筋肉を成長させることが可能です。とはいえ、筋トレ初心者の方には、どう取り組めば良いか分からないことも多いでしょう。
また、中には十分な知識がないままやみくもに筋トレを行い、けがや痛みが起きてしまうケースも。ここでは筋トレの初心者に向けて、事前に身に付けておきたい情報をまとめました。
筋トレのメリットや取り組む上でのポイントを、しっかり確認しておきましょう。
目次
筋肉は年齢に関係なく誰でも成長させられる
筋力は20代をピークとして、何もしなければ年齢とともに低下するもの。日常生活でも、ふと衰えを感じるタイミングがあるかもしれません。「年だから仕方ない」と諦めている方が多いかもしれませんが、筋肉は年齢に関わらず、鍛えて成長させることができます。
健康的な身体を維持するためにも、ぜひ筋力トレーニングに取り組んでみてください。
ここでは、初心者が知っておきたい筋トレの知識を項目別に解説しますので、事前によく確認しておきましょう。
筋肉が成長する仕組み
筋肉は「運動(トレーニング)」「栄養」「休養」という3要素が組み合わさることで成長することができます。トレーニングを行うことで、筋肉の筋繊維の損傷や疲労で身体にストレスがかかり一時的に筋力・体力が低下します。しかし適切な栄養と休息を取ることで筋肉の回復が促されます。
ただし、筋肉の回復には時間がかかります。具体的な時間は筋繊維の損傷の程度や部位などによって異なりますが、概ね2~3日程度を見込むと良いでしょう。睡眠時間と栄養の摂取も筋肉の回復に関わりますので、十分に確保するよう心がけてください。
この回復で、筋肉はより強く成長し、筋力の向上や筋肥大などの成果につながります。これを「超回復」と呼びます。トレーニングに適切な栄養と休息を組み合わせることで、筋肉が効率よく成長していくのです。この仕組みは年齢に関わらずおきるため、誰でも筋肉を成長させることができます。
筋肉をつけることのメリット
基礎代謝量が高まって脂肪が燃焼しやすくなり、ダイエット効果も
基礎代謝量とは運動しなくても、人間が生きていく上で必要となる(消費される)エネルギー量のこと。そしてこの基礎代謝量は、筋肉量が増えることで高まります。
つまり筋肉をつければ、自然と日常の中で消費されるエネルギー量が増えるので太りにくい身体になっていきます。特にダイエットでリバウンドを避けたいという方は、筋力アップがおすすめです。
身体の不調(こり、むくみ、冷え など)の改善につながる
冷えやこり、むくみなどの身体の不調は、血行不良も原因の1つといわれています。トレーニングによって筋肉を動かすと、筋肉の収縮がポンプの役目を行うことで、身体の末端まで血液が流れやすくなり、血行の促進を促します。その結果、冷えやこりなどの解消が期待できるのです。
また、正しい姿勢が維持できず、腰痛や肩こりなどを引き起こしているケースも少なくありません。この場合も、正しい姿勢を支えて持続させるための筋肉を鍛えることで、姿勢の改善・維持ができるようになるでしょう。
ストレス発散の機会となる
筋トレを行うことで分泌される「セロトニン」には、リフレッシュ効果があるといわれています。つまり、筋トレはストレスを発散させる機会になるでしょう。筋トレは、身体だけでなく精神面にもメリットをもたらしてくれるのです。
年齢に関わらず生活の質(QOL)を高められる
生活の質=QOL(Quality of Life)を高めるには、基本的な日常動作を不自由なく行えることが基盤となります。日常動作に、立つ、座る、歩く、あるいは持つなどの動きも含まれ、これを達成するには十分な筋力が欠かせません。筋力をつけることは、生活の質を維持・向上させることにつながるのです。
初心者がやってしまうミス
過度なトレーニング
筋肉の成長には、トレーニングの継続が欠かせません。しかし、痛みや疲労感がある状態で休まずに過度なトレーニングを行ってしまうと、トレーニング効果が低下するだけでなく、けがなどを引き起こす原因となります。トレーニングを継続するためにも休息を十分に取りましょう。
負荷(=キツさ)ばかり重視してしまう
筋トレを行う際に、とにかく高い負荷をかけることを重視してしまう方は少なくありません。しかし、筋トレには各自の筋力や目的に応じて適切な負荷があります。フォームが崩れてしまうほどの無理な負荷をかけてしまうと、思わぬけがにつながりかねません。
自分に合ったトレーニングの負荷がわからなければ、スポーツクラブのインストラクターに相談してみてください。
同じ部位、同じトレーニングばかり繰り返してしまう
特定の部位だけ強化したい場合を除き、同じ部位ばかりトレーニングするのはおすすめしません。健康な身体づくりやダイエットなどを目的とするなら、全身をバランスよく鍛えるようにしましょう。
前述の通り、トレーニング後には回復のため休息が必要です。日によって鍛える部位を変えれば、筋肉を回復させながら順に効率よくトレーニングできます。
食事内容が変わらない
トレーニングを行えば、通常と比べて多くのエネルギーを消費します。また、回復のために必要な栄養量も変わるものです。トレーニング効果を最大化させるためには、栄養摂取にも気を付けることが大切です。
筋トレの取り組み方
筋トレを効果的に行うため、覚えておきたい取り組み方のポイントを解説します。
ストレッチとの組み合わせ
筋トレ前には、ストレッチを行いましょう。筋肉を少しずつ温めて柔軟性を高めることで、けがの予防にもつながります。また、身体の可動域が広がることで、パフォーマンスアップも期待できるでしょう。
さらに筋トレの後にもストレッチを行えば、筋肉の張りをほぐし、疲労回復が促進できます。トレーニング後は疲労物質が多い状態です。血液の循環が悪い状態だと疲労物質がとどまり易くなるため、疲労回復が遅くなります。
結果、筋肉痛が治りにくいことにつながります。つまり、筋肉が縮まって伸びにくくなっているため、「(動的)ストレッチ→筋トレ→ストレッチ」の順を基本とするのがおすすめです。
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※動的ストレッチ…動き(反動)を付けながら行うストレッチ
筋トレ実践の基礎知識
筋トレは無理のない範囲で継続することが大切です。初めの内は、週1~3回を目安に、休息を挟みながら行いましょう。各トレーニングメニューは目的によっても変わりますが、まずは10回程度を、インターバルを挟んで2~3セット行います。インターバルは目的に応じ、以下を目安としてください。
- 筋持久力の向上
-
30~45秒
- 筋肉の肥大化
-
1~2分
- 筋力アップ
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3~4分
なお、負荷は筋力などによって異なりますが、10回の動作で「キツイ」と感じるくらいが適切です。
1週間メニューの組み方
筋トレは特定の部位だけではなく、全身まんべんなく取り組むことが大切。そして、トレーニング後は回復のため休息が求められます。そこで1週間のうち、トレーニング回数に応じて以下のように部位を変えながら行うと良いでしょう。
週2回のトレーニング
1日目 | 全身 |
---|---|
2日目 | 休息 |
3日目 | 休息 |
4日目 | 全身 |
5日目 | 休息 |
6日目 | 休息 |
7日目 | 休息 |
週3回のトレーニング
1日目 | 上半身 |
---|---|
2日目 | 休息 |
3日目 | 休息 |
4日目 | 下半身 |
5日目 | 休息 |
6日目 | 休息 |
7日目 | 上半身 |
筋トレ実践のポイントと部位別おすすめのトレーニング
初心者は簡単な筋トレから始め、体力・筋力に合わせて少しずつ強度を上げていきましょう。特定部位に偏るのではなく、全身をバランスよく使うことが重要です。
自宅では自重トレーニングをメインに重点部位を鍛えつつ、スポーツクラブではマシンを用いるのがおすすめ。マシンは初心者でも使いやすく設計されていますが、最初はインストラクターにアドバイスを受けると良いでしょう。
自宅で取り組みやすい筋トレメニューには、以下のようなものが挙げられます。
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脚の筋力チェック
脚の筋肉は、全身の中でも多くの割合を占める大切ものです。脚の筋力がどれくらいあるか、簡単にチェックすることができます。
イスなどに腰かけて片脚で立てるかどうかのチェックです。
低い位置から立ち上がれるほど筋力が高いということになります。
立ち上がりテスト
- 手順
-
- イスに座ります。脚は直角よりやや前よりに座る(70度の角度)
- 両手を胸の前で組み、片脚を上げる
- ヒザを伸ばしたまま立ち上がる
- ポイント
-
- 反動はつけない
- 難しい場合はイスの高さを高くする
- 立ち上がる際、転倒しないよう注意する
栄養補給について
運動中は、BCAA(分岐鎖アミノ酸)やEAA(必須アミノ酸)を取るようにしましょう。BCAAは必須アミノ酸の内、3種類の「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」で、糖質と同じくトレーニング時のエネルギー源として活用されます。またEAAは必須アミノ酸の、9種類が全て入っています。しかし、人間の体内では合成できないため、食事やサプリメントなどでの補給がおすすめです。
そして筋トレ後は、トレーニングメニューで失われた栄養素を、積極的に補給しましょう。特に「たんぱく質」「糖質」「アミノ酸」です。特にたんぱく質は筋肉を成長させる上で欠かせません。食事だけで十分に摂取できない場合は、プロテインを活用するのもおすすめです。
まとめ
筋トレのメリットや取り組む上での注意点など、詳しく解説しました。特に筋トレ初心者の方は無理にトレーニングしたり、ずっと同じ部位ばかり鍛えたりしてしまいがちです。また、栄養も十分に補給し切れていないことが多いでしょう。
筋トレで効果を得るには、まずここで取り上げた内容を頭に入れ、正しいトレーニング方法を身に付けることが重要になります。
そして、筋トレに慣れてきたら自分に最適な筋トレを継続するためにも、パーソナルトレーニングの活用がおすすめです。