「LAUGH DiAMOND」ディレクション講座
コナミデジタルエンタテインメントでもっとも「LAUGH DiAMOND」の調整…つまりディレクションに詳しい「こーじD」が、「LAUGH DiAMOND」での歌唱制作をもっと楽しくするノウハウを公開していきます。
「こんな事をやりたいがどうやったらいい?」「どうしてもこれが上手く行かない!」など、皆さんのお悩みは
「LAUGH DiAMOND」公式X にお気軽にお寄せください。
問い合わせの多いお悩みやノウハウは、どんどんこの講座に追加していきます!
Tips05. ケーススタディ02 "恋愛裁判/あさひ" から見る調整方法
対象:歌唱調整が思ったように上手く行かない初心者~中級者向け
あさひは強弱の効きが良く、1フレーズ間の波を作り出すことが得意です。
使い方も多岐にわたるため、普通の歌声からパワフルな歌声までいろいろな顔を持っています。
それを再現するためには装飾記号を使うことが必須で、普通に調整しただけでは本来の実力を100%発揮できません。
ぜひこのTipsを参考にして、あさひの流れるような高パフォーマンスを試してみてください。
フレーズの強弱を考える
どこを一番良く聞かせたいか決め、それ以外を弱くすることで、あさひの歌唱にメリハリができ、より人間らしくなります。
メロディラインを波のように描くと効果的です。
すべてを強く歌う必要はありません。エディットする時に流れをある程度考え調整すると、あさひは良い感じに歌ってくれます。
ここは人それぞれ流れを作りたい箇所が違います。自分なりで良いので、まずは試してみましょう。
下の画像のフレーズでは結構思ったとおりに歌ってくれたので、調整は程々です。
山のトップでは強弱「f」に、フレーズが下がるところでは「p」に移行し、トップの次のデータに裏声処理をして弱めに調整しました。
うまくいかないこともあるので聴きながらトライアンドエラーすることが必要ですが、とても人間っぽく面白いのでおすすめです。
このようにあさひはフレーズ情調を効果的に表現できます。
前述で少し触れましたが、力を抜くポイントを作ってあげると、よりリアルな歌声になります。
皆さんも実際に歌ってみればわかると思いますが、フレーズ最後は弱くなりがちです。同じようにしてあげてください。
下の画像のように、フレーズラスト(息を吸う前)に、本来は使うことのないファルセット装飾「※」を使ってみてください。
あさひは低い音に対してファルセット装飾を入れると「弱く歌おう」という気持ちが入り、pを使うよりも優しい歌声を出してくれてます。
裏技のようですが非常に効果的ですので、いろんなところで使ってみてください。
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フレーズラストにファルセット装飾「※」を使用
今回紹介した装飾ファルセット「※」はショートカット設定するととても便利です。
たとえば私はファルセットオンをキーボード「U」、オフを「J」としました。
ノートを選んでキーを使うだけで簡単にファルセットをオン・オフしてトライアンドエラーができ、非常に時短でおすすめです。
フレーズに新しい表現を出せるコンボ技「跳ね上げ下降アタック」
「LAUGH DiAMOND」4名全員、個性的な奏法がありますが、中でもあさひのコンボ技「跳ね上げ下降アタック」は魅力を一層出してくれる唯一無二の技です。
フレーズが下がっていくときに使うと効果的です。
アタックをつけて歌おうとしたときに少し裏返ってしまうという特殊奏法で、とってもテクニカルな歌唱です。
この場合は「さ」から「ね」に移行する際に、「さ」を跳ね上げて「ね」で上げたピッチを落とすことで小さな山を作っています。
使いすぎると、しつこさが勝り特別感がなくなるので逆効果です。注意して使いましょう。1曲に2-3回位が適度です。
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跳ね上げ下降アタックなし
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跳ね上げ下降アタックあり
今回もCCSファイルを公開しますので、いろいろな違いを確認してみてください。
Tips06.『こむらさきももか』バージョン2.3の主な特徴と旧バージョンとの比較
対象:初級~上級者まで全ての方向け
『こむらさきももか』のバージョン2.3が公開されました!
単純なバージョンアップではなく、新しく学習し直されているので、ある意味では別のライブラリになっています。
より自然になったり、表現が増した箇所もあれば、前のバージョンの方が制作者の意図に合っているケースもあるでしょう。
そのため、各バージョンを使い分けることが、理想の歌唱制作にとって重要になります。
今回は、バージョン2.3と旧バージョンの比較を通して、理解を深めていただけるようなTipsをご紹介します。
…こーじDの個人的見解が多分に含まれますので、その点だけご注意を!
バージョン2.3の主な特徴
- 一部の歌えなかった擬音歌詞が歌えるようになりました。
例「にゃん」など - バージョン2.2よりも発音の立ち上がり(アタック個性)が良くなりました。これにより、テンポの速い曲がより歌いやすくなりました。バージョン2.2も引き続きご利用いただけますので、バージョン2.2はスローテンポの楽曲用、バージョン2.3はアップテンポの楽曲用など、お好みに応じて使い分けてください。
- 先頭フォール「%」の効きが良くなりました。これまであまり効果がありませんでしたが、バージョン2.3からはほぼ指示通りに歌ってくれるようになっています。
- バージョン2.3から、自動で跳ね上げてくれる箇所が変わりました。もしバージョン2.2と同じ箇所で跳ね上げたい場合は、吐き捨て「@」を入れることで、今まで通りになる可能性が高まります。
- スタッカートをより短く切るようになりました。バージョン2.2ではあまり効果がありませんでしたが、バージョン2.3からはかなり短く歌ってくれるようになりました。ただし、曲によっては外したほうが良い場合もあります。
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バージョン2.2
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バージョン2.3
学習のし直しにより、マイナーバージョンチェンジとはいえども、個性が出ました。
バージョン2.2はスローな曲、バージョン2.3はアップテンポな曲というように、用途で使い分けるのが良いと思います。
皆さんも色々試してみてくださいね。