姿勢維持や日常動作など、あらゆる身体の動きに欠かせない下半身の筋肉。下半身を鍛えると、冷え性の改善や腰痛予防などの効果も期待できます。
ここでは下半身の筋トレについて、その効果とともに具体的なトレーニングメニューをご紹介しましょう。
目次
下半身を鍛える効果
そもそも下半身を鍛えることで、どのような効果が期待できるのでしょうか。ここでは3点を取り上げて解説します。ご自身の目的や課題と照らし合わせながら確認してください。
腹横筋などの体幹を強化して姿勢改善&腰痛予防
姿勢が悪いと関節部や筋肉に大きな負担がかかり、腰痛の原因になります。
壁に背を向けて立ったとき、後頭部と背中(肩甲骨)、お尻とかかとの4点が一緒に壁につくかチェックしてみましょう。1か所でも離れていたら、姿勢不良の可能性があります。正しい姿勢を維持するためには、体幹部の筋力アップが欠かせません。
また、お腹の周りにある腹横筋が弱いことも腰痛を引き起こす原因の1つ。腹横筋はコルセットのような役割を持つインナーマッスルで、主に腹圧の上昇により体幹の安定に貢献します。
腹横筋を含めた体幹部を鍛えることで姿勢が改善され、腰痛予防につながるでしょう。
筋力アップによる基礎代謝の向上
下半身は身体の中でも大きな筋肉が多く、これらを鍛えることで基礎代謝が向上します。
基礎代謝とは運動などを行わなくても、日常生活の中で生命活動を維持するために消費されるエネルギーのこと。つまり基礎代謝が上がることでエネルギー消費が増え、結果として脂肪燃焼、そしてダイエット効果が期待できるのです。
下半身を引き締めてスタイル改善
細く引き締まったふくらはぎや太もも、そしてキュッと上がったお尻。おそらく、多くの方が憧れるのではないでしょうか。下半身の筋トレによって、こうした理想のスタイルを目指すことが可能です。
血流改善で冷え性軽減
着込んでも底冷えしてしまう、冷え性にお悩みの方は多いかもしれません。冷えが起きる最大の原因は、血行不良。筋肉量が少ない、あるいは運動量が少ないと、血行が悪くなってしまうのです。
ふくらはぎなど下半身にある大きな筋肉を鍛えれば、血流が改善されて冷えの軽減が期待できます。
下半身の筋トレメニュー4選
下半身を鍛えることで、さまざまな効果が期待できることがお分かりいただけたでしょうか。それでは次に、具体的な下半身の筋トレメニューを4つ紹介します。
手順とともにポイントも解説しますので、ぜひ実践してみてください。
① スクワット(太もも、お尻)
スクワットは太ももを中心として、お尻からお腹周りまで幅広い筋肉を鍛えられます。手軽に下半身の引き締めと基礎代謝の向上が目指せるトレーニングです。
- 手順
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- 脚を腰幅から肩幅に開き、つま先はヒザと同じ向きにする
- 手を胸の前で軽く組む
- 太ももと床が並行になるくらいまで、お尻を下げる
- ゆっくりと脚とお尻の力を抜かないように戻す
- 3~4を繰り返す
- ポイント
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- ヒザがつま先よりも過度に前に出ないようにする
- 太もも・お尻の前の筋肉を意識する
- 背中はまっすぐ伸ばす
- 息を吸いながらお尻を落とし、吐きながら戻す
② レッグエクステンション(太もも前)
マシンを用いたレッグエクステンションは、太ももの前面を全体的に鍛えられるトレーニング。大腿四頭筋を刺激して、メリハリあるキレイな太もものシルエットを目指せます。
- 手順
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- 体格に合わせてセットしたマシンに座り、背筋を伸ばして背もたれに身体をしっかりつける
- グリップを握り、つま先を直角に立て、足のバーを上げる
- 1・2のテンポでヒザを伸ばし、1拍おいて1・2・3で重りがつかない位置まで下ろす
- これを繰り返す
- ポイント
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- 背もたれから背中やお尻が浮かないようにする
- 呼吸を止めずに行う
- 反動を使わないようにする
- ヒザを伸ばしきらないようにする
③ カーフレイズ(ふくらはぎ)
つま先で立つことにより、ふくらはぎを鍛えられます。床で行うこともできますが、階段や台などの段差を使ってかかとの浮いた状態で行ったり、ジムのマシンを使ったりすると効果的です。
- 手順
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- 段差につま先から足の前部分を乗せて、かかとを宙に浮かせて立つ
- つま先で体重を支え、ゆっくりとかかとを上げ、つま先立ちで1秒程止まる
- つま先がずれないように、かかとをゆっくり下ろし、ふくらはぎを伸ばす
- この動作を繰り返す
- ポイント
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- 動作が不安定になる場合は、安全のためにも壁や柱などに手を添えて行う
- かかとを持ち上げる際と戻す際はゆっくり動作する
- つま先とヒザの向きを揃える
- 下ろす際は、かかとの位置がつま先より低くなるようにする
- 強度調整
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- 簡単にできるようになってきたら、壁につく手を片手にする
- 片脚で行うことで、強度を高めることが可能です
④ グルーツブリッジ(お尻)
持ち上げる動作によってお尻を鍛えられます。初めて行うと、見た目以上に刺激が入るのを感じられるでしょう。毎日続けることで筋力がついていきますので、徐々にお尻を高く持ち上げていきましょう。
- 手順
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- お腹に軽く力を入れて、お尻を持ち上げる
- 背中からもも裏までが一直線になる状態で僅かに止める
- ゆっくりとお尻から下ろす
- この動きを繰り返す
- ポイント
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- 両肩が浮かないようにする
- ヒザから肩までのラインが一直線になるように
- お腹に力を入れ、腰が上がりすぎないようにする
- 腰が反らないように気をつける
- 両方のお尻が均等に上げるように意識する
筋力に不安があるなら「アクアウォーキング」から
筋トレをしたいけど、筋力・体力に不安があるという方は、アクアウォーキングに取り組んでみましょう。アクアウォーキングは水中で行うため関節への負担が少なく、抵抗や水圧を受けながら歩くことで運動効果が得られます。
10分を目安に行うだけで、下半身の筋力アップが期待できるトレーニングです。他のトレーニングを行った後、クールダウンとして取り入れるのも良いでしょう。
ポイント
- 歩行姿勢
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- 背筋を伸ばす
- 下腹に軽く力を入れる
- 足の動き
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- かかとから着地し、つま先で床を蹴る
- ヒザを高く持ち上げ、足を前に踏み出す
- 腕の動き
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- ヒジを軽く曲げる
- ヒジを後方にリズミカルに引き、腕を振る
大切なのは正しい動作! ストレッチなどのケアも忘れずに
ここでご紹介したトレーニング方法は、いずれも正しい動作で行うことが重要です。手順やポイントを頭に入れて、1つ1つの動作に集中して取り組んでください。
鏡で動作を確認したり、ジムのトレーナーに見てもらったりするのがおすすめです。
なお、筋トレを行っていると、筋肉痛などが起きる可能性があります。そうした痛みがある場合には、無理にトレーニングを行わないようにしましょう。
痛みを起こりにくくするには、トレーニング後にストレッチや有酸素運動などでケアすることも忘れないようにしてください。
まとめ
下半身の筋トレは、脂肪燃焼や引き締めなどさまざまな効果が期待できます。ここで取り上げたトレーニングは、いずれも自宅やジムなどで誰でも取り組めるものばかり。
継続することで、少しずつ身体の変化を実感できるはずです。特に気になる部位があれば、まずはそこを鍛えられるトレーニングから始めてみてください。
姿勢改善や腰痛対策、ダイエット、スタイル改善など、下半身の筋トレに取り組み、理想の自分を手に入れましょう。