以前はペタッと開脚できたはずが、いつの間にか股関節が硬くなってしまった。それは年齢のせいではなく、周辺の機能が低下していることが原因かもしれません。
そのまま放置してしまうと、身体にさまざまな不調が生じる可能性があります。そのため、ストレッチで柔らかい股関節を獲得することが大切です。
股関節が硬くなる原因や柔らかくすることのメリット、そして具体的なストレッチ方法などをご紹介しましょう。
目次
なぜ股関節が硬くなるのか
そもそも、なぜ股関節は硬くなってしまうのでしょうか。
関節の動く範囲は、日頃からどの程度の範囲で動かしているかによって決まっていきます。つまり日頃から小さな範囲でしか動かせていなければ、その範囲でしか動かせなくなるということです。
- デスクワークのため椅子に座って作業する時間が長かった
- 立っている姿勢や歩いている際の姿勢が悪かった
例えば上記のような状態が続くと動かす範囲が限られてしまい、筋肉が硬くなって股関節の可動域が狭く(大きく動かなく)なるのです。
股関節が硬くなることについては、「年だから仕方ない」という声も多く聞かれます。しかし実際は、多くの方が股関節の柔軟性を高めることができます。そのための方法として挙げられるのが、股関節のストレッチです。
股関節をストレッチで柔らかくすることのメリット
股関節をストレッチで柔らかくすると、どのようなメリットが得られるのか。ここで、3つの視点から解説します。
運動機能の向上
股関節を柔らかくすることには、下肢の動きを改善する効果が期待できます。その結果、ダイナミックな動きができるなど運動パフォーマンスが高まるほか、ケガの危険性も低くなっていきます。
股関節ストレッチのやり方
股関節を柔らかくするためのストレッチについて、具体的な方法を3つご紹介します。実践手順とポイントを確認しながら、ぜひ取り組んでみてください。
股関節ストレッチ①
- 手順
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- 床に座って、両方の足裏を合わせます
- 脚を両手で掴み、身体の方に引き寄せましょう
- ヒジを使ってヒザを床に向けて押してください
- ポイント
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- 視線を前に向け、背中は丸めずに真っすぐな姿勢を維持します
- ヒザが床につかなくても構いませんので、脚は身体にしっかり引き寄せたまま行いましょう
- 可能であれば、ヒザを床に向けて押しながら上体を真っすぐなまま前に倒してみましょう
股関節ストレッチ②
- 手順
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- つま先を前に向け、拳1個分ほど両足の間隔を空けて立ちます
- 片方の脚を大きく前に置き、脚を前後に広げましょう
- 後ろ脚のヒザは伸ばしたまま、前足のヒザを90度程度まで曲げて身体を落とします
- しっかり伸ばしたら1の姿勢に戻り、反対側も同様に行います
- ポイント
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- 背中は丸めず、上体を地面に対して垂直に保ちます
- 後ろ脚のヒザが曲がらないようにしましょう
股関節ストレッチ③
- 手順
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- 両手と両ヒザを床について、四つん這いの姿勢になります
- 両ヒザを開き、両足のかかとをつけましょう
- 両手で上体を支えながら、身体を床へ下ろしていきます
- ポイント
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- ヒザを横向きに股関節を開きます
- 身体を下ろし切った際に、ヒザから頭までが真っすぐな状態をイメージしましょう
股関節ストレッチに取り組む際のポイント
股関節のストレッチを行う際には、以下に取り上げるようなポイントを意識してください。
毎日の継続が重要
ストレッチは即効性が高く、すぐ股関節部の動きに改善が見られるでしょう。しかしそれは一時的なものに過ぎず、時間が経てばすぐ元通りになります。
根本的に状態を改善して股関節を柔らかくするには、毎日の継続が欠かせません。
無理に伸ばし過ぎない
しっかり股関節をストレッチで伸ばすと、「痛いけど気持ちいい」ような感覚になります。伸ばす程度はこの範囲にとどめ、無理やり伸ばすと逆にケガをする原因になります。
凝り固まっている場合はほぐしてから行う
いくら股関節をストレッチしても、思ったように筋肉が伸びないことがあります。その原因として考えられるのが、トリガーポイントです。
トリガーポイントは筋肉の凝り固まってしまった部分のことで、これをほぐさなければ筋肉はうまく伸びてくれません。マッサージや筋膜リリースなどを行い、トリガーポイントをなくしてからストレッチしましょう。
また、身体が冷えている状態では筋肉が固くなっており、やはりストレッチでもうまく筋肉を伸ばせません。ウォーキングやジョギングなどを行い、少し身体を温めると伸びやすくなります。
パートナーストレッチのすすめ
しっかり筋肉を伸ばして大きなストレッチ効果を得るためには、専門家にストレッチを行ってもらうのが一番です。
「股関節ストレッチ①」の場合、自身は姿勢維持と脚の引き寄せに集中し、専門家にヒザを床へと押してもらいます。こうした運動は専門家のノウハウが必要ですが、しっかり股関節を伸ばすことができるでしょう。
また、ストレッチにはさまざまなバリエーションがあり、中には1人だと難しいものも少なくありません。専門家によるパートナーストレッチを行うことで、柔軟な股関節を目指してみましょう。
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まとめ
運動能力の低下や身体の不調、歪みなどが気になっている方は、股関節の柔軟性が低下しているかもしれません。
股関節はストレッチを無理なく続けることで、柔らかくすることができます。毎日継続して柔らかい股関節を獲得しましょう。