幻想水滸伝 (PS one BooKs)

幻想水滸伝 (PS one BooKs)
物語は英雄の豹変から始まる。 かつての英雄は暴君と化し、帝国は斜陽の時をむかえた。 荒んだ帝国の圧政に抵抗するため、ついに解放軍が立ち上がった。 天地の宿星108人が、1人また1人と集い、その束ねられた力が歴史を揺り動かす。 解放軍と帝国軍、二つの旗のもとに人はそれぞれの想いをいだく。 それは理想、名誉、友情、忠誠、愛情、野望…多くの想いが人を戦場へと駆り立てる。 そして戦いの後に何を手にいれるだろうか…
■プロローグ
帝国五将軍の1人テオ・マクドールの息子であるきみは今、緊張した面持ちで時間がゆっくりとすぎていくのを感じていた。黄金の皇帝バルバロッサとの謁見が迫っていた。きみは控えの間をキョロキョロと見回す、ふと父と目があった。無骨だがどこか優しい父の瞳が心配するなと語り掛けていた。 波が引くように緊張が遠退き、あたたかな安心感を感じた。いつしか思いは昔日の思い出へと移っていた。

付き人のグレミオ、幼い頃に母を失ったきみにとっては母親がわりだった。いくどとなく、わがままを言いグレミオを困らせたあの幼い日々がよみがえる。

クレオ、家族同然にいっしょに時をすごした彼女は、父の部下という以上に大きな存在だった。

パーン、父が彼を最初に紹介したときに、きみは大きなおそれをいだいた。 はじめて会った彼は殺気をギラギラと燃え立たせた闘士だった。しかし、その奥にひそむあたたかなものに気付いた時に、おそれは消え、信頼が芽生えた。

そして、テッド。出会ったのは数年前、だけど、おさないころからの親友のような気のおけない少年。きみは彼に心を許し、彼がそうすることを認めた。 だが、かの陽気な少年は時折、ひどく大人びた目をすることがある。

「謁見の準備ができました。こちらへどうぞ」

侍女の声できみは現実の世界へとひきもどされる。

「いくぞ。」

重い父の声。そして大きな背中。
圧倒的に思えたその父を、やがて追い越す時がくることをきみはまだ知らない。
ジャンル RPG
プラットフォーム PlayStation®
リリース
2002年07月11日
プレイ人数 1人
CERO A 全年齢対象

COUNTRY / REGION 日本