
イニエスタも心酔した、
局面で使えるテクニックの数々を見よ。
制作時、かたわらで画面を見ていたイニエスタがふとつぶやいた。
「No hay nada más que decir (これは、もう言うことはないよ)」 それは新しいボールコントロールが繰り出された場面だった。
今作ではまさにイニエスタがピッチの上で見せるような種々の技巧が狭いエリアにおいて表現され、高いレベルでの駆け引きができるようになった。 密集したエリアで敵をかわすドリブル。難しい状況下での、個性に合わせたトラップの数々。 フリーの際、より精度の高いキックが出せるように進化したロングパス。 パスやトラップのミスも如実に表現されるため、これまで引き出しにくかったセンスやテクニックが持ち味の選手の強みが存分に発揮できるようになった。
ボールを持つ。目の前には複数の敵がいる。さあ、君はどう突破するか——ウイニングイレブンの世界に、新たな駆け引きが生まれる。
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新ボールコントロール「フィネスドリブル」
今作のゲームプレイにおける最大の進化が新しいドリブル「フィネスドリブル」にある。
相手選手の動きを先読みし、密集する狭いエリアでもドリブルで抜け出し、局面を打開するプレーが可能になった。 制作に関わったイニエスタが興味深いことを話している。 「相手エリア付近、この密集したエリアこそが僕ら攻撃の選手、スペシャルな選手が持ち味を発揮しなければならない場所なんだ。」
これまでは圧倒的スピードを持つ選手や、パワー系の選手などフィジカル能力に秀でた選手が長所を生かしやすく、イニエスタに代表されるようなテクニック系の選手はやや活かしにくい部分もあった。
しかしそれが今作では、大きく変わる。 テクニシャンがゲームを動かす——。 画期的ともいえる彼らの復権がピッチの上に新たな駆け引きを呼び、一層の深みをもたらす。
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トラップ
大きく伸ばしたイニエスタの足の先、ボールは羽衣に包まれるように柔らかく足元へおさめられる——美しいトラップは芸術だ。
今作では難しいシチュエーションにおけるトラップのバリエーションが増えた。 選手は能力と状況に応じジャンプしてボールに足を伸ばしたり、足を水平にあげアウトサイドでおさめたりと、技巧を駆使した様々なトラップを見せてくれる。
これにより生まれたのが駆け引きの醍醐味だ。 触れずにボールを流しながら相手の動きに合わせてファーストタッチのタイミングでかわす。 やや後方に流れたパスを体を回転させながらコントロール。 右にトラップすると見せかけて直前で左に切り返す「逆突きトラップ」も可能だ。
ただボールを止めるだけではない。 トラップの瞬間にあるのは、相手の出方を予測しあう高度な読み合いだ。 ボールに触れるそのとき、これまでになかったひとつ先の駆け引きが繰り広げられるだろう。
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キック
たとえばピッチの上に描かれる名手のロングキックがある。
彼の足元にボールが渡ると、観衆は息を飲む。 美しいモーションから放たれる高精度のキック、その弾道に人々はひきつけられる。 時を止めるかのような華麗なキックはサッカーの醍醐味のひとつだ。
今作では状況次第でボールの質に変化をもたせ、フリー時により高精度のキックができるよう改良された。 各エリアでフリーの選手をいかに作りだすのかー。 今作のキックの進化はサッカーの奥深さにあらためて気づかせてくれるだろう。 キック前のモーションでの駆け引き、シュートとみせかけたパス、相手の意表を突く逆方向へのパスなども可能になり、多彩な組み立てが味わえるようになった。
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ディフェンス
守備者にとって自陣ペナルティエリア付近は戦場だ。
今作ではディフェンスのリアルな激しさが表現されている。 くさびのボールが入った際の後方からのプレッシャー。 スライディングやタックルなどのバリエーションが増加し、ヘディングでの必死のクリアも見せる。 相手に抜かれそうになったときに体を腕で抑えるなどのインテンショナルファウルも導入された。
ファウルになるリスクを負い、どこまで激しい守備をするか——。 究極の場面で、究極の判断が勝敗を分ける。
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ボール挙動
南米のテクニシャンやドリブラーを見ていると、足の様々な部分を使って多種多様のファーストタッチをしていることがわかる。
今作ではインステップでボールの勢いを落とす”クッション”や、足裏でのショートバウンドトラップを自然な流れで実現できるように改良されている。 さらに、シュートブロックや空中戦などで選手の体にボールが衝突した際の物理挙動も大きく進化。
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選手の個性表現
フットボーラーには実に様々な選手がいる。 彼らは生身の人間であり、同じポジションといえど画一的な動きをするわけではない。
今作ではそんな選手の「個性」にさらに着目。 ボールを保持している選手の特徴に応じて、周囲の選手の動きが変わるようになった。
ドリブルが持ち味の選手には突破を期待してスペースを空け、パサーがボールを持てばディフェンスラインの裏を狙う。
それぞれの個性が合わされば、やがてそれはチームの個性になる。 どの選手をどう使うかで、チーム戦術にもバリエーションが出せるようになるわけだ。
個性を重んじることで、ウイニングイレブンはよりリアルなサッカーに近づいた。
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新能力・新スキル
新能力、新スキルの充実も見逃せない。
能力においては、ボールホルダーに対して時には削りに行くような”アグレッシブネス”と、細かいタッチで相手をかわす”ボールキープ”が。 スキルでは多彩な弾道で急所を突く”スルーパス”、遠目から枠を捉える”ミドルシュート”が加わっている。