コナミスポーツマスターインストラクター大石鉄也のサッカーコラム SOCCER COLUMN by Tetsuya Oishi

技術レベル評価制度の目的

vol.111 | 2022/6


6月に入りました。気温も少しずつ高くなり、湿気の多い日が続きたくさん汗をかくと思います。熱中症にならないためにも、運動中はもちろんですが、水分補給をこまめに行うようにしましょう。

今月は、コナミスポーツクラブサッカースクールで導入している技術レベル評価制度についてお話します。


■技術レベル評価制度とは

コナミスポーツクラブのサッカースクールでは、スクール独自の技術レベル評価制度を採用し、技術練習(リフティング・ドリブル)を徹底して指導しています。
目的は、子どもたちがサッカーを生涯楽しむことができるように、小学生以下の育成時期において、技術習得の大切さと必要性を知ってもらい、確かな技術を身に付けてもらうことにあります。
サッカースクールに通う子どもたちのサッカーに対する目標や目的は、それぞれに異なると思います。
本気でプロサッカー選手を目標とする子もいれば、楽しくサッカーをやりたい、サッカーが少しでも上手になりたいという目的の子もいます。
目標や目的は異なっていても、サッカーを楽しみ、理解し、上達していくためには、基礎となるサッカーの技術をしっかりと身に付けておくことが必要です。
サッカーは、自身が思った所にボールをスムーズに運ぶことができ、思った所にボールを蹴ることができるからこそ、楽しさを実感できると考えています。
今、自身の技術習得が、どのようなレベルにあるのか、その先には、どのような技術習得を目指していくことが必要なのか、これら、子どもたちの成長をわかりやすく見えるようにし評価するための基準として、この技術レベル評価制度を導入しています。


■焦ることはありません。地道な努力こそが確かな技術を身に付けます

確かな技術を身に付けるためには、とても多くの練習と時間を要します。最初のうち、子どもたちは、なかなか、思い通りにうまくできず苦労することもあると思います。
しかし、うまくできなくても全く問題ありません。私はいつもこう例えて伝えています。
「人間は生まれてから歩くまで、最初は床を這ったり、立っては転んだり、バランスを一生懸命とろうとしながら身体で必死に覚え歩けるようになります。これはサッカーも同じです。最初はまったく足でボールを扱えません。思った所にボールコントロールができずに失敗を繰り返しながら、身体でボールの感覚を覚えていきます。」
友達が出来て自分が出来ないなど人と比べて焦る必要はありません。技術を身に付けるには、反復練習が非常に重要になります。常にたくさんボールに触り、日々継続して努力することが大切です。


■テストの合否

子どもたちは、このレベル評価制度をもとに、日々、サッカースクールだけでなく自宅でも練習をし、月1回のテストにチャレンジするのですが、それでも、なかなか、テストに合格できないことが続くこともあるかと思います。
でも、子どもたちも、保護者の皆さんも、合格できないことに焦る必要はありません。
技術というものは、1カ月や2カ月といった短期間で簡単に身に付くものではありません。
日々、練習を重ねていくことで、徐々にコツを掴み形になっていきます。
繰り返しになりますが、技術が身に付くまでは多くの反復練習が必要で多くの時間がかかるものです。テストが不合格だったから駄目なのではなく、焦らずに、日々、練習をし続けることが大切になります。そして、少しずつですが、努力した成果は、かならず、子どもたちに技術という形で身についているはずです。
我々は、指導者として、子どもたちを指導していくうえで、目先だけの結果に拘らず、将来に繋がることが1番大切だと考えています。
テストに合格することを目標としていきますが、1回で合格しなくても、2回で合格しなくても問題ありません。何回不合格だったとしても、やり続けることで合格した時に、はじめてその技術が身に付いたことになります。時間をかけて身に付いた技術こそ本物で、これこそが将来に活きる技術になります。また、これらで得た失敗と成功の経験は、子どもたちにとって、様々なことに挑戦していくための大きな力にもなるはずです。
我々は、子どもたちに焦らせることなく、子どもたちとじっくり向き合い、しっかりと時間をかけて何回でもチャレンジできる環境作りを心がけて指導していきます。

プロフィール

大石 鉄也

1979年11月26日生まれ。静岡学園高等学校から川崎フロンターレ入団。(在籍8年)川崎フロンターレ在籍時代に1年間、ブラジルグレミオに留学。2004年に現役を引退。現在は、子どもたちへの指導を行いつつサッカースクールカリキュラム開発及び指導者の育成にあたる。