コナミスポーツマスターインストラクター大石鉄也のサッカーコラム SOCCER COLUMN by Tetsuya Oishi

サッカーを習い始めようとしている方へ

vol.109 | 2022/4


4月になり新年度が始まり、新しい生活がスタートしました。
新しい学年になることで、期待もあり、不安もあり、慣れるまでは少し時間がかかるかと思いますが、何事にも積極的にチャレンジしていきましょう。
今月は、サッカーを習い始めようと考えている子どもたちや保護者のみなさんに私が感じる大切なポイントをお話します。


■体験することの重要性

いまは、インターネットなどで簡単に様々な情報を収集できますが、サッカースクールを選ぶときは、まず、実際のスクールを体験してみることが大切だと思います。
実際の体験を通して、子どもたちが楽しいと感じることができる環境になっているかがとても大切なポイントとなります。
スクールに通うのは子どもたちです。習い事を始める子どもたち自身が楽しいと思うことで、成長するスピードは速くなり、何よりも継続することが出来ます。
もし、楽しいと思うことが出来なければ、継続することは難しくなるでしょう。
子どもたちが楽しいと思うポイントは、指導者(コーチ)が楽しい、仲が良い友達がいて楽しい、練習が充実していて楽しいなど子どもの年齢や経験によってさまざまだと思います。
例えば、サッカーを始めたばかりの子どもたちにとっては、指導者が楽しい、仲が良い友達がいるなど安心できる環境が求められます。そのためには、指導者の子どもに対する接し方やスクールの雰囲気などをよく見ることが大切だと思います。
次に、サッカーの経験を積んでいくと、今度は、安心できる環境からサッカーの技術を身につけ上達していくことでの達成感や満足感に楽しいと感じるポイントが変わっていきます。
そうなると、より練習が充実しているスクールであることが大切になってくると思います。


■練習の大切なポイント

スクールの練習が充実しているかどうかを判断するのは非常に難しいところですが、私は、練習時間内にどれだけたくさんボールに触る練習を実践しているかが大切なポイントであると考えています。
子どもたちは、ボールを触る回数によって、その成長に圧倒的な差がでると考えています。
同じ練習時間でも100回ボールに触る練習と、500回ボールに触る練習とでは、ボールをコントロールする技術向上のスピードには明らかに差がでます。
もちろん、トラップ練習、パス練習、シュート練習、試合(ゲーム)などもサッカーをしていくうえで必要となる練習です。
しかし、子供たちが成長し上達していくためには技術を身につけていくための練習順序があり、幼児~小学生の時期は、足で思ったところにボールをスムーズに運ぶことができるようになることが最優先です。
足のどこを使っても思ったところにドリブルでスムーズにボールを運べるようになることがサッカーの原点であり基本です。

ドリブル技術を身につけるためには、ボールに触る回数が重要であり、子どもたちが練習のなかでどれだけたくさんボールを触っているかをよく見てください。
1人1個ボールを使った練習が多ければ多いほど、ボールに触る回数は自然と増えます。そこで、1人1個ボールを使った練習が練習全体の中で実際にどのくらい行われているのかを見ると良いと思います。
指導者の話が長すぎてボールを触る時間が少ないといった状況がないかなども注意しながら見てください。


■まとめ

スクールを探すとき、インターネットをはじめ、様々な情報が収集できる分、どこのスクールに通わせようかと迷うことも多いと思います。
そんな時は、まず、実際にスクールを体験してみることが非常に重要だと思います。
楽しい環境の中で、成長を感じながら続けられるスクールであることが私は非常に大切だと思います。
指導者の接し方や練習内容を確認しながら子どもたちの様子(表情)を見てあげてほしいと思います。
子どもたちがサッカーを純粋に楽しむことが最優先です。楽しみながら成長していけるように、ぜひ、保護者の皆様は、自らの目で実際にサッカースクールを見ていただければと思います。
サッカースクール選びで迷っている方の参考にしていただけたら幸いです。

プロフィール

大石 鉄也

1979年11月26日生まれ。静岡学園高等学校から川崎フロンターレ入団。(在籍8年)川崎フロンターレ在籍時代に1年間、ブラジルグレミオに留学。2004年に現役を引退。現在は、子どもたちへの指導を行いつつサッカースクールカリキュラム開発及び指導者の育成にあたる。