コナミスポーツマスターインストラクター大石鉄也のサッカーコラム SOCCER COLUMN by Tetsuya Oishi

サッカーの代表戦を観て

vol.102 | 2021/9


コロナ禍で、まだまだ油断ができない状況が続いています。
日頃より、手洗い、うがいをこまめに行い、マスクをするなど予防対策を万全に体調管理には十分に気を付けるようにしてください。

今月は、先日開催されたU-24のサッカー世界一を決める大会を観て感じたことについてお話ししたいと思います。

■U-24日本代表
先日開催されたU-24のサッカー世界一を決める大会でU-24日本代表は、ベスト4まで進出しました。残念ながらメダル獲得とはなりませんでしたが、代表選手一人ひとりのレベルが高まっていることを証明するプレーが随所に見られました。そういった意味では、試合結果以上に、今後の日本サッカーにとって明るい材料が多い大会だったというのが、率直な感想です。
今までは、強豪相手にどうしても主導権を握れず、相手の特徴を消しにいき、相手に合わせた戦術でしたが、今回は、主導権を握る試合や時間を多く見ることができたと思います。
勿論、海外リーグに所属し、戦っている選手が多くなっていることは要因の一つだと思います。
しかし、それだけではなく、一人ひとりのボールを扱う技術レベルが非常に高くなってきていると強く感じました。
止める、運ぶ、蹴る技術がしっかりとしていることで、プレーに余裕がうまれ判断力(スピード・選択肢)が格段に良くなっているのだと思います。


■ベスト4の技術レベルの高さ
先程、U-24日本代表について技術レベルが高まってきていることをお話しましたが、
世界でトップにまで来るチームは、やはりどこも相当高い技術レベルを持っています。ポジションに関係なく止める、運ぶ、蹴る技術レベルがしっかりとしています。
その高い技術があるからこそ、ハイプレッシャーの中でも冷静な判断でプレーできているのです。今回、ベスト4に進んだブラジル、スペイン、メキシコ、日本は若い世代ながら非常に高い技術が身についていました。
海外選手の運動能力は優れたものがありますが、やはり運動能力(スピード・パワー・ジャンプなど)だけでは現代のサッカーでは上にはいけないと感じます。
確かな技術があって、はじめてその運動能力が活きることになります。
試合を観察しているとよくわかりますが、1つのトラップがチャンスにもなるし、ピンチになってしまうこともあります。
レベルが高くなればなるほど、その重みは強くなります。世界のベスト4までくるチームは一つ一つのプレーの質が非常に高いです。止める、運ぶ、蹴るといったボールを扱う技術はわずか数十センチといった単位を常に意識したプレーの連続なのです。


■まとめ

U-24サッカー世界一を決める大会を観て、改めてボールを扱う技術(止める・運ぶ・蹴る)は非常に大切だと感じました。
試合レベルが高くなるほど、相手のレベルが高くなるほど、その技術レベルが問われます。確かな技術が身についていることで、プレーに余裕が生まれ、その余裕が味方や敵の動きをしっかりと見て、その局面において1番良い判断ができることにつながります。

小・中学生の時期は、運動能力の差が顕著に現れ、運動能力が高い子どもを中心とした活躍が目立ちます。しかし、高校生くらいになり身体が少しずつ出来あがってくるとそういった差はそれほどでもなくなります。
私は、小・中学生の時期に、運動能力(スピードやパワー)に頼ってばかりいた選手が、高校生の時期になると、これまでのように相手を抜くことが出来なくなり、パワーはあっても技術が足りないことで、大切なところでボールを失ってしまう場面をたくさん見てきました。
確かに、足が速い人や遅い人、力が強い人や弱い人、運動能力には個人差があります。成長の度合いが異なる時期にはその差がより顕著にプレーに現れるでしょう。
しかし、多くの場面において、運動能力だけでは試合に勝つことは出来ません。サッカーはボールを足で扱うスポーツです。一番大切なのは「どれだけボールを上手く扱えるか(=ボールを扱う技術)」なのです。そして、その技術に長けた選手が、最後には結果を残してきました。

小・中学生の時期は、目の前の結果よりも将来のために技術を磨くことが重要です。ボールを扱う技術やテクニックは、神経系の発達が著しいといわれる小・中学生の時期にこそ身につきやすく、技術を磨くための練習に重点を置き、コツコツと取り組んでいくことが私は大切だと実感しています。私は、運動能力(スピードやパワー)を否定しているわけでは決してありません。ボールを扱う技術やテクニックがあってこそ、運動能力が活きるのです。
技術練習は、何度も繰り返しながら確かな技術へと積み上げていくものです。ときには、飽きてしまうこともあるかもしれません。それでも、ボールを自由自在に扱う技術を身につけるには毎日の積み重ねや繰り返しが一番の近道なのです。
特別なことをするのではありません。大切なのは、自ら意識して、とにかく、毎日ボールに触ることです。毎日、ボールに触ることで、技術は必ず上達します。とにかく、あせらずに毎日、ボールに触れて練習を積み重ねていきましょう!

プロフィール

大石 鉄也

1979年11月26日生まれ。静岡学園高等学校から川崎フロンターレ入団。(在籍8年)川崎フロンターレ在籍時代に1年間、ブラジルグレミオに留学。2004年に現役を引退。現在は、子どもたちへの指導を行いつつサッカースクールカリキュラム開発及び指導者の育成にあたる。