コナミスポーツマスターインストラクター大石鉄也のサッカーコラム SOCCER COLUMN by Tetsuya Oishi

技術レベル評価制度の意味

vol.93 | 2020/12

日頃のスクール運営において、新型コロナウイルス感染拡大防止の取り組みに、ご理解とご協力をいただきありがとうございます。
12月に入り気温も下がってきました。風邪をひきやすい季節になってきますので、手洗い、うがいをこまめに行い、体調管理には十分に注意しましょう。

今月は、子どもたちの成長過程において私が思う大事な指導について、先日、あるサッカースクールにて小学1・2年生の練習を見学して感じたことをもとにお話させていただきます。

■ 目的にあった練習メニューが重要
練習メニューは、対人練習(1対1・2対2)が中心でした。
子どもたちは、まだドリブルで思ったところにボールを運べないレベルで、対人練習もなかなかスムーズにできていない状況でした。
対人練習は、練習メニューとして必要だと思っています。
しかし、練習における目的がないまま、ただ漠然と対人練習を行っても子どもたちの成長はなかなか感じられないと思いました。
対人練習をやるには、ボールを運ぶ、ボールを止める、ボールを蹴るといった要素が必要になります。
そこをしっかりと理解し、技術練習をしたうえで、対人練習において相手を抜くためには何が必要かということを考えることで、練習メニューが決まると思います。
練習には目的があり、その目的を達成するための要素が含まれた練習を実践することが、子どもたちの成長過程において重要だと思います。


■ 練習内での試合の考え方
練習の最後には、コーチが加わったチーム構成で、試合を実施していました。
その試合では、ほとんどコーチがボールを触り、コーチがドリブルでゴール前までボールを運び、子どもにパスを送り、子どもはシュートするだけの内容でした。
試合時間の8割はコーチがボールを触っているという現状を目の当たりにして、正直、指導内容に疑問を感じました。
本来、練習内の試合は練習の成果を発揮する時間です。
それなのに、コーチばかりがボールに触り、子どもたちはほとんどボールに触っていない状況では、子どもたちの成長にはつながらないと考えます。
小さい頃は、コーチと一緒になって走り回り、ボールが来たら蹴ったりしていれば楽しいかもしれません。しかし、技術練習を行わず、技術を身に付けないままいくら試合をしても子どもたちの成長は見込めなく、次第に年齢を重ねるごとに技術が身に付いていないまま試合をやることでサッカーの楽しさが実感できなくなってしまいます。
練習内の試合を遊びと考えるのではなく、練習の成果を発揮(チェレンジ)する時間にすることが私は子どもたちが成長するために重要だと考えます。


■ まとめ
世間には、さまざまな指導方法があります。
指導に正解や不正解はありませんが、子どもたちを成長させる指導とは、生涯サッカーが好きで楽しいと思ってもらえることが重要だと感じています。
そのために、子どもたちの成長過程において大切なことは、上達することです。
サッカー経験が長くなってくると、次第に『安心感』から、『達成感』や『満足感』に楽しいと感じるポイントが変わってきます。そうすると、『上達を感じること』が重要になり、練習が充実していることが大切なポイントになります。
だからこそ、上達していくために何が必要かを指導者はしっかりと考え、練習メニューを決める必要があります。
目的や目標がなく、ただ漠然とその時間だけが楽しいといった練習では、なかなか子どもたちの成長は感じられないと思います。

また、指導者の何気ないアドバイスでも、子どもにとっては、ずっと覚えていたりする印象深いアドバイスになったり、時には、子どもの将来を大きく左右する一言になるといっても過言ではありません。
だからこそ、指導者は、指導者としての責任と自覚をもって、常に子どもたちに対してアンテナをはっていなければなりません。
ただ、漠然と練習メニューをこなすことが指導者の役割ではなく、子どもたちが自身の目標や夢に向かってチャレンジできるように、いかにして子どもたちの心の灯をともすことができるかが、指導者の重要な役割だと私は思います。

コナミスポーツクラブサッカースクールでは、指導者として、子どもたちの将来をしっかりと考えて、責任と自覚を持って子どもたちと接していきたいと思います。

プロフィール

大石 鉄也

1979年11月26日生まれ。静岡学園高等学校から川崎フロンターレ入団。(在籍8年)川崎フロンターレ在籍時代に1年間、ブラジルグレミオに留学。2004年に現役を引退。現在は、子どもたちへの指導を行いつつサッカースクールカリキュラム開発及び指導者の育成にあたる。