コナミスポーツマスターインストラクター大石鉄也のサッカーコラム SOCCER COLUMN by Tetsuya Oishi

技術レベル評価制度の意味

vol.91 | 2020/10

【個人技術を身に付けるには】

日頃のスクール運営において、新型コロナウイルス感染拡大防止の取り組みに、ご理解とご協力をいただきありがとうございます。
10月に入り、気温もだいぶ下がってくることと思います。季節の変わり目は、体調を崩しやすいので、運動をした後は、汗をよく拭いて、体を冷やさないようにしましょう。
また、日頃より、手洗い、うがいをこまめに行い、マスクをするなど予防対策を万全に体調管理には十分に気を付けるようにしてください。

今月は、技術指導についてお話したいと思います。


■ ボールを扱う個人技術の大切さ
サッカーにおいて、ボールを扱う個人技術は、非常に重要です。
ボールを扱う個人技術とは、大きく分けて、「止める」「運ぶ」「蹴る」の3つになります。
多くの指導者が『個が大切』、『個を育てる』ということをよく言っています。
しかし、実際の指導において、『個を育てる』ための技術練習には、あまり時間をかけていないという現実を見てきました。
『個を育てる』ための確かな技術練習とは、ドリブル・リフティングの技術を正しく身に付けるための練習であり、それを的確に指導することが指導者には求められます。確かな技術練習のもと、徹底的に繰り返し練習をすることで、ボールを自由自在に扱えるようになるための基礎となる個人技術を身に付けることができるようになります。
パワーやスピードは、身体の成長とともに、ある程度、練習をすることで身に付けることができます。
しかし、個人技術は、身体の成長とともに身に付きにくくなっていくものです。
小学生までの子どもたちに、今、必要なことは、目の前の結果(勝利)ではなく、目の前の確かな技術練習です。
今、まさに練習している個人技術が、中学生・高校生と成長に伴い、結果として表れてきます。
技術を身に付けるには相当の時間がかかりますが、子どもたちの将来のため、今、しっかりと正しい練習をしておくことが本当に重要なのです。


■ 技術練習の大変さ
個人技術を身に付けることが重要と言葉では簡単に言えますが、その技術を身に付けるには地道な努力が必要です。(たくさんの時間が必要です)
技術練習は、とにかく繰り返しの積み重ねであり、なかには、途中で飽きてしまうこともあるかと思いますが、それでも、とにかく毎日『やり続ける』ことが非常に大切です。
技術練習にゴールはありません。
日々、練習を『やり続ける』ことで、身体がボール感覚をつかみ、それが徐々に身体にしみついてきます。
その日の気分で練習したり、しなかったりと、『やり続ける』ことができなければ、絶対に試合に使えるボールコントロール(技術)は身に付きません。

私は、小学1年生からサッカーを始めましたが、小学校、中学校、高校とサッカーボールを触らなかった日は、ほぼありません。これは大げさではなく雨の日でも屋根のある小さなスペースで、毎日、ドリブル、リフティングをしてサッカーボールに触れていました。そんな長い年月をかけて、ほぼ毎日ボールに触れていたとしても、ボールコントロールをミスしたりしてしまうことはあります。だからこそ『やり続ける』ことが必要なのです。
『やり続ける』ことは、決して簡単なことではなく、本当に大変なことですが、現状に満足することなく、常に高い目標をもって技術を磨いてほしいと思います。


■ 指導者の重要性
ドリブル・リフティングの技術を身に付けるには、反復練習がとても重要になります。そのため、子どもたちの努力は必要不可欠ですが、やはり簡単にはいかず、うまくできない、なかなか上達しないなど、伸び悩む子どもはたくさんいます。
そのような時、子どもたちに対して指導者がどのようなアドバイスをするかは、非常に重要です。
できるようになるためのコツ(ポイント)やヒントをしっかりと伝えることが指導者に求められます。

子どもたち一人一人には、それぞれに特徴や癖があり、指導者はまずそれをしっかりと理解しなければなりません。
ドリブル・リフティング・キックなどには基本フォームがあります。
もちろん、最初は基本フォームを正しく身に付けることができるように指導していきますが、練習を繰り返しているうちにフォームに癖がでてしまう子どもはたくさんいます(癖が悪いというわけではありません)。
癖を直すことでこれまで以上に上手にできるようになる子どももいれば、癖を活かすことで上手にできるようになる子どももいます。
癖を直す、活かすといった部分で、指導者は、常に子どもたちを観察し、一人一人の癖をしっかりと理解することが必要です。

もし、指導者が子どもたちの癖を理解しないまま、ただ、基本的な指導をしているだけでは、できるようになることもできないまま時間だけが経過し、結果、子どもがサッカーをつまらなく感じてしまうことになってしまいます。

それだけに、小学生までの指導に携わる指導者には、子どもの成長過程における非常に重要な責任があると私は考えています。
子どもたちに『できた』『できるようになった』をたくさん経験させてあげることが、その子どもの将来につながり、指導者にとっても1番大切に考え取り組んで行くべきことだと思っています。


■ まとめ
サッカーは、思ったところにボールを運び、思ったところにボールを止め、思ったところにボールを蹴ることができることで、その楽しさ、魅力が実感できます。
楽しさが実感できれば、生涯楽しくサッカーを続けることができます。

小学生でサッカーをやっている子どもは、全国にたくさんいます。現在、選抜チームに入っている子ども、なかなか試合には出られない子どもと状況はさまざまあると思います。
しかし、小学生としての今の実力は経過でしかありません。今、技術練習を『やり続ける』ことができる子どもたちは必ず近い将来開花するでしょう。
そして、技術を磨いていくなかでの失敗は何回しても大丈夫です。失敗を繰り返しながら、何回もチャレンジすることで、小学生の時期に確かな個人技術を身に付けておくことが1番大切です。

サッカーを生涯好きで、楽しく続けていくために必要な技術を身に付けること、小学生の大切な時期に確かな技術を身に付けることで、中学、高校、大学、社会人になっても多くの仲間とサッカーを楽しむことができるはずです。
子どもたちが、生涯サッカーを好きで、楽しめるように、コナミスポーツクラブサッカースクールでは、これからも『将来に繋がる技術習得』をコンセプトに、技術に特化した指導に拘っていきたいと思います。

プロフィール

大石 鉄也

1979年11月26日生まれ。静岡学園高等学校から川崎フロンターレ入団。(在籍8年)川崎フロンターレ在籍時代に1年間、ブラジルグレミオに留学。2004年に現役を引退。現在は、子どもたちへの指導を行いつつサッカースクールカリキュラム開発及び指導者の育成にあたる。