コナミスポーツマスターインストラクター大石鉄也のサッカーコラム SOCCER COLUMN by Tetsuya Oishi

ボールを扱う技術の大切さ

vol.80 | 2019/12

12月に入り、寒さも日増しに厳しくなり、いよいよ本格的な冬がやってきます。
風邪などひかないように、体調管理には十分に注意して過ごしましょう。

今月は、ボールを扱う技術の大切さについて改めてお話します。

■現代のサッカー
一昔前のサッカーは、ポジションによって求められる技術レベルに差があったように思います。
しかし、現代のサッカーは、ポジションに関係なく、すべての選手にボールを扱う技術が必要になっており、それを求められています。
今は、ゴールキーパーでさえも、他のポジションにいる選手と同じようにボールを扱う技術レベルは非常に高まってきています。
どのポジションでも、ボールを止める・運ぶ・蹴ることを高い精度で扱うことのできる技術を求められますので、小さい頃からボールを扱う技術を身につけるための繰り返しの練習は非常に重要となってきます。

■ボールを扱う技術の大切さを実感するまで
ここからは、私の経験談になります。
私の小・中学生年代は、周りよりも身体が小さく、キックをしてもボールが遠くに飛ばず、強いシュートを打つなんてことは出来ませんでした。
当時、所属チームのコーチは、「ボールを扱う技術を磨こう」「テクニックで相手を抜こう」が口癖でした。私は、毎日ひたすらドリブルやリフティングを練習していました。チームとしては、なかなか試合に勝てなくて悔しい思いもたくさんしましたが、それでも諦めることなく、小・中学生年代で徹底的に技術練習をしてきた成果を実感したのは高校に入学してからでした。

身体の大小はあるものの、運動能力や体力面にそれほど差がなくなる高校年代に入ると、それまでスピードに頼ってばかりいたために相手を抜けなくなってしまう選手や、パワーはあっても技術が足りずボールを失ってしまう選手が出てきました。私が通っていた静岡学園高校には、全国から集まってきた実績のある選手が数多く在籍していましたが、持ち前のスピードやパワーだけでは、それ以上の成長が期待できない状況でした。
私は、小・中学生年代に徹底的に技術練習を毎日繰り返してきた甲斐あって、向かってくる相手選手の逆をつくドリブルで相手を交わしたり、相手にボールを取られないように味方に正確なパス出しでボールをつないだりなど、試合の中でボールを扱う技術を発揮することで活躍できるようになりました。
結果、高校サッカーで活躍出来たおかげでプロサッカー選手にまでなることが出来ました。
いまでも、本当に小・中学生年代にボールを扱う技術練習をひたすら頑張って取り組んできたことが良い結果につながったと実感しています。

■ボールを扱う技術を身につけるには
小学生年代ですと、同じ年代の子供でも発育発達時期に大きな差があり、どうしても身体が大きな子や、足が速い子が目立ちがちです。
しかし、身体能力だけに頼ってしまい、最も大切なボールを扱うための技術練習を怠ってしまうと、年代を重ねる毎に、技術が身についていないことで試合に出ることは出来ても思うようなプレーをすることが出来ずに苦戦することになります。
サッカーはボールを扱うスポーツですから、一番大切なのは「どれだけボールを上手く扱えるか」なのです。ボールを扱う技術やテクニックは、神経系の発達が著しいと言われる小・中学生年代の方が身につきやすく、この年代に、技術を身につけるための反復練習をどれだけ行うことができるかが非常に重要となります。しかし、反復練習はどうしても飽きてしまいがちです。また、反復練習を繰り返していても簡単に技術が身につくものではありません。もちろん、試合などで結果を出せるようになるには、それだけの時間と経験が必要です。それでも、目先の結果にこだわるのではなく、将来活躍できるために反復練習を頑張ってほしいと思います。

■まとめ
今回は、改めてボールを扱う技術の大切さについてお話させていただきました。私は、スピードやパワーを決して否定しているわけではありません。これらの身体能力は、ボールを扱う確かな技術やテクニックがあってこそ、初めて活きるということです。技術練習は繰り返しが多いため、飽きてしまうこともあるかもしれませんが、ボールを自由自在に扱う技術を身につけるには毎日の積み重ねや繰り返しが一番の近道です。自分から進んで毎日ボールにさわることで必ず上達していきますし、スピードやパワーは高校年代にはある程度まで成長しますから、あせらずに毎日の練習を楽しく繰り返していきましょう!

コナミスポーツクラブサッカースクールでは、子供たちが将来サッカーを楽しめる、活躍できるように、技術練習を大切にした指導を実践していきます。

プロフィール

大石 鉄也

1979年11月26日生まれ。静岡学園高等学校から川崎フロンターレ入団。(在籍8年)川崎フロンターレ在籍時代に1年間、ブラジルグレミオに留学。2004年に現役を引退。現在は、子どもたちへの指導を行いつつサッカースクールカリキュラム開発及び指導者の育成にあたる。