コナミスポーツマスターインストラクター大石鉄也のサッカーコラム SOCCER COLUMN by Tetsuya Oishi

静岡学園中学校サッカー部の練習見学をして感じたこと

vol.77 | 2019/08

8月に入りました。暑い日が続きますが、勉強に運動に充実した夏休みを過ごしていますでしょうか?楽しい夏休みとなるように体調管理には十分に注意しましょう。

今月は、先日、静岡学園の中学校サッカー部へ練習見学に行って感じたことについてお話させていただきます。

静岡学園のサッカー部は中学校と高校にあります。中学校も高校も個人技術を身につけ、磨き上げることを大切にし、徹底して、ドリブルやリフティングを中心に練習しています。
これは、私が通っていた頃も含め、一貫して取り組まれている練習なのですが、今回、見学させてもらい、今も変わらず、個人技術を身につけることに拘り、徹底して反復練習を重ねていました。

ここ最近、個人技術を身につけることは大切であると話をされる指導者が増えていると感じていますが、果たしてその技術を身につけさせるために、普段の練習時間において、どれくらいの時間を技術練習に費やしているでしょうか?
様々なサッカースクールやクラブチームの練習を見学に行っていますが、個人技術を身につけるための技術練習に費やしている時間は、さほど多くはない印象です。例えば、15分程度のウォーミングアップとして、リフティングやドリブルを行っている程度です。
正直、これくらいの練習の繰り返しだけでは、目指すべき確かな個人技術が身につくとは思えません。
確かな個人技術を身につけるためには、相当な練習時間を技術指導に費やすことが必要になります。繰り返し行われる練習の中で、よりたくさんボールに触れることを継続していくことで、より確かな個人技術は身につきます。
とにかく、うまくなるためには、誰よりもボールに触れる回数を増やし、誰よりも反復練習を継続することが重要です。
静岡学園中学校サッカー部の練習では、2時間程度、1人1個ボールを持ってリフティングやドリブル中心にボールを扱う技術レベルを磨くため反復練習を重ねていました。
2時間を技術練習に徹底して取り組むことは、体力的にも気持ち的にも非常に大変なことです。
しかし、生徒たちは、うまくなりたい一心で必死に練習に取り組んでいました。
そのうえで、自主練習において、さらに個人技術を磨くための練習に取り組んでいるのです。
1日わずか15分程度の技術練習しかしていないチームと、1日2時間を技術練習に徹底して取り組んでいるチームとでは、数年後、個人技術レベルには格段の大きな差が生じることになるでしょう。

勿論、パスやシュート、戦術に関する練習も大切です。目前の試合において、チームとして勝つことの優先順位は1番かもしれません。そのために、練習時間の多くはそういった練習に割り当て、個人技術の練習は、自主性に任せているというところもあると思います。

そのような中で、静岡学園中学校サッカー部は、今のこの時間を、サッカー選手として5年後6年後の将来を見据え、その時に個人技術で翻弄して相手に勝利することを目指して、多くの練習時間を個人技術を磨くための練習に割いているということです。もっと言えば、将来、プロサッカー選手になるために、今、個人の技術を徹底的に磨いているということです。チームによって、様々な考えがあると思いますが、明確なコンセプトを持ち、コンセプトに対して徹底して拘りを持ち、ブレなく突き進めるということが非常に重要だと改めて実感しました。コンセプトや拘りが有るチームと無いチームでは、生徒たちの練習に取り組む姿勢が全く異なると感じました。

いつも思うことは、今、その時期その時期で何が必要なのか?何が大切なのか?
チームとして勝つことはすごく重要なことですが、チームとして勝つこと以外にもっと大切な事があると思っています。目の前にある勝ち負けの結果以外に、自分が普段の練習で磨きをかけてきた個人技術をどれだけ試合で発揮できたか?どれくらい相手に通用したか?を繰り返し経験を積み重ね、そこからまた個人技術に磨きをかけるために、これまで以上にたくさんボールに触れて練習を重ねる。その繰り返しが、将来、誰よりも上手なサッカーをする自分を作り出すことに繋がるのではないかと思います。

コナミスポーツクラブサッカースクールも、子供たちの将来に繋がる技術習得をコンセプトに、日々、技術練習に特化して指導に取り組んでいますが、静岡学園中学校サッカー部の練習を見て、改めて個人技術を身につけるためには、もっともっと、子どもたちにたくさんボールに触れてもらうことが必要と感じました。子どもたちの将来に繋げるために、今後も個人技術を身につけるための技術指導に拘って伝えていきたいと思います。

プロフィール

大石 鉄也

1979年11月26日生まれ。静岡学園高等学校から川崎フロンターレ入団。(在籍8年)川崎フロンターレ在籍時代に1年間、ブラジルグレミオに留学。2004年に現役を引退。現在は、子どもたちへの指導を行いつつサッカースクールカリキュラム開発及び指導者の育成にあたる。