コナミスポーツマスターインストラクター大石鉄也のサッカーコラム SOCCER COLUMN by Tetsuya Oishi

指導者の役割と影響力

vol.66 | 2018/09

9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続きますね。学校も始まりましたので、規則正しい生活リズムで、食事(栄養)、睡眠をしっかりと採るようにしましょう。

今月は、指導者の役割と影響力についてお話しします。

私たちの周りには、様々な子ども向けの習い事があります。
そこでは、それぞれに指導者がいて習い事についての指導を行っているわけですが、習い事において、指導者の持つ子どもへの影響力は非常に大きいと感じています。
指導者は、その習い事に対し、いかにして子どもたちのやる気と興味を引き出すのか、高いモチベーション(目的意識)を持って練習に取り組ませることができるかがとても大切なポイントになります。

最近、指導方針として、『子どもに考えさせる指導』を推進していくというのを良く耳にしますが、私は、少し異なった意見を持っています。

勿論、子どもの考える能力を育て、イマジネーションを働かせ、自らが判断をして実践できるようにしていくことは、重要であり、いずれは重要な指導の要素になってくるとは思いますが、まだ、習い事を始めたばかりで、基本的なことに対する理解のない状況で、いきなり、考えさせる指導をしたとしても、それが果たして子どものためになっているのかと疑問に感じています。

最初のうちは、基本的なことをできるようになるためのコツ(ポイント)やヒントを繰り返し伝え、基礎をしっかりと身に付けさせることが指導には必要だと私は考えています。
そのうえで、基礎がしっかりと身に付き、ある程度の技術を習得できたころに、はじめて、自ら考えさせて、練習や試合に取り組ませるといったことが出来るようになってくると考えています。

指導においては、子どもの年齢や能力に合わせて、指導していく順序やアドバイスする内容も変わってくると思います。
子どもは、指導者のアドバイスを受けながら、一つ一つのことにチャレンジして成長していきます。
指導者が子どもに送るアドバイスの一つ一つは、子どもが習い事の中で成長していくうえでとても重要であり、その時限りではなく、将来にも大きく影響してくるものであると考えています。
だからこそ、指導者は、常に子供に向けてアンテナをはり、一人ひとりの性格や特徴を観察することが大切です。子どもの性格や特徴がわからない状況では指導はできないと考えています。
練習中においても、子どもたちをしっかりと観察して、子どもの成功や失敗を恐れずにチャレンジしたことを絶対に見逃してはいけません。子どもを本気にさせる、成長させるためには、指導者の一言がとても大きな影響を与えるということを指導者は常に意識しなければならないと考えます。
ときには、厳しく伝えたり、ときには、子どもの気持ちに寄り添いやさしく伝えたりと、その場面や子どもの性格などによっても変わってきます。
ただ、いつの場においても、子どもを本気にさせることは指導者の重要な責任だと私は考えています。
指導者の何気ないアドバイスでも、子供にとっては、ずっと覚えていたりする印象深いアドバイスになったり、時には、子どもの将来を大きく左右する一言になるといっても過言ではありません。
だからこそ、指導者は、指導者としての責任と自覚をもって、常に子どもたちに対してアンテナをはっていなければなりません。
ただ、繰り返し練習メニューをさせることが指導者の役割ではなく、子どもたちが自身の目標や夢に向かってチャレンジできるように、子どもたちの心の灯を点すことができるかが、指導者の重要な役割だと私は思います。

指導者として、子どもたちの将来をしっかりと考えて、責任と自覚を持って子どもたちと接していきたいと思います。

プロフィール

大石 鉄也

1979年11月26日生まれ。静岡学園高等学校から川崎フロンターレ入団。(在籍8年)川崎フロンターレ在籍時代に1年間、ブラジルグレミオに留学。2004年に現役を引退。現在は、子どもたちへの指導を行いつつサッカースクールカリキュラム開発及び指導者の育成にあたる。