コナミスポーツマスターインストラクター大石鉄也のサッカーコラム SOCCER COLUMN by Tetsuya Oishi

技術の大切さ

vol.51 | 2017/06

6月に入り気温も上がってきます。水分補給をこまめに行い、健康管理には十分に注意しましょう。

以前のコラムでも何回かお話ししてきましたが、今月は、改めて技術の大切さについてお話ししたいと思います。
まずは、私のサッカー人生における経験から感じたことについてお話しします。

小・中学生時代の私は、周りの子供たちよりも身体が小さく、ボールをキックしても思うように遠くに飛ばず、強いキックを蹴りだすことが出来ませんでした。
当時、所属していた少年団も決して強いチームとは言えませんでした。
チームは「とにかく技術を身につけよう」という指導方針で、コーチの口癖は「スピードやパワーに頼ることなく、テクニックで相手を抜こう」でした。コーチの指導のもと、私はテクニックを身につけるためコツコツと毎日の練習に取り組んでいました。そして、私がこのときのコーチの言葉の意味を実感したのは高校に入学してからでした。

小・中学生の時期は、運動能力の差が顕著に現れますので、運動能力が高い子どもを中心とした活躍が目立ちます。しかし、高校生くらいになって子供たちの身体が少しずつ出来あがってくるとそういった差はそれほどでもなくなります。
すると、小・中学生の時期に、運動能力(スピードやパワー)に頼ってばかりいた選手は、運動能力が同じくらいになってくる高校生の時期になって、これまでのように相手を抜くことが出来なくなってしまったり、パワーはあっても技術が足りないことで、大切なところでボールを失ってしまう場面をたくさん見てきました。
確かに、足が速い人や遅い人、力が強い人や弱い人、運動能力には個人差があります。成長の度合いが異なる時期にはその差がより顕著にプレーに現れるでしょう。
しかし、多くの場面において、運動能力だけで試合に勝つことは出来ません。サッカーはボールを足で扱うスポーツです。一番大切なのは「どれだけボールを上手く扱えるか(=ボールを扱う技術)」なのです。そして、ボールを扱う技術に長けた選手が、最後には結果を残してきました。

小・中学生の時期は、その瞬間の結果よりも将来のために技術を磨くことが重要です。ボールを扱う技術やテクニックは、神経系の発達が著しいと言われる小・中学生の時期にこそ身につきやすく、技術を磨くための練習に重点を置き、コツコツと取り組んでいくことが私は大切だと実感しています。私は、運動能力(スピードやパワー)を否定しているわけでは決してありません。ボールを扱う技術やテクニックがあってこそ、運動能力が活きるのです。
技術練習は、何度も繰り返しながら確かな技術へと積み上げていくものです。ときには、飽きてしまうこともあるかもしれません。それでも、ボールを自由自在に扱う技術を身につけるには毎日の積み重ねや繰り返しが一番の近道なのです。
特別なことをするのではありません。大切なのは、自ら意識して、とにかく、毎日ボールに触ることです。毎日、ボールに触ることで、技術は必ず上達します。とにかく、あせらずに毎日、ボールに触れて練習を積み重ねていきましょう!

プロフィール

大石 鉄也

1979年11月26日生まれ。静岡学園高等学校から川崎フロンターレ入団。(在籍8年)川崎フロンターレ在籍時代に1年間、ブラジルグレミオに留学。2004年に現役を引退。現在は、子どもたちへの指導を行いつつサッカースクールカリキュラム開発及び指導者の育成にあたる。