コナミスポーツマスターインストラクター大石鉄也のサッカーコラム SOCCER COLUMN by Tetsuya Oishi

フリーの状態とは…

vol.42 | 2016/09

夏休みも終わり、新学期がスタートしました。夏の思い出はたくさんできましたか?まだまだ暑い日が続きますので、こまめな水分補給を欠かさず体調管理には十分に気を付けてサッカーを楽しんでください。

皆さんは、サッカーの練習や試合の中で、「フリーになれ」「フリーな人にパスをしろ」など指導者や選手同士の言葉が飛び交う場面をよく見ませんか?今月は、「フリー」について私の考えをお話します。

まず皆さんは、「フリー」とはどのような状態のことを思い浮かべますか?
皆さんが思い浮かべるフリーは、「相手が周りにいない」状態の事ではないかと思います。

私の考える「フリー」とは、“相手がいてもかわすことができる状態”、あるいは、“相手が届かない場所にパスをしてボールを取られない状態”であれば、それは「フリー」な状態だと思っています。
もし、選手全員の近くに相手がいても、トラップやドリブルで相手をかわすことが出来て、ボールをとられない位置にコントロール出来る自信があれば、全員が「フリー」な状態だと私は思います。

私の考える「フリー」は、実際にはフリーでは無いのではと思う人もいるかもしれませんが、「フリー」とは、個人の技術レベルによって異なると思っています。個人の技術レベルが高ければ高いほど、「フリー」の状態が多いと言ってもいいでしょう。
技術レベルの高い選手が多いほど、フリーな状態の選手が多いことになりますので、自然とパスコースが増え、ボールを失う回数も減ります。結果、より質の高いサッカーが出来ることになります。

先日開催されたブラジルリオデジャネイロオリンピックのU-23サッカー日本代表の試合を観ました。
その試合のなかで、自ら積極的にパスを受けようとする選手が少ないため、パスコースが少ない状態が多く見られました。
そのような状態が、1人1人のプレー判断の遅れにつながり、なかなか、ボールを味方同士でつなぎ、回すことのできず、結果としてボールを失う場面が多く見られました。

これは、今回のオリンピックにおけるサッカー日本代表の課題の一つだと私は思います。他の国の選手に比べて、「フリー」な状態を作ることができるだけの技術が、まだ、U-23の選手達には足りなかったということだと思います。もっと、個人の技術レベルを他の国の選手に負けないレベルにまで高めていくことで、ボールを持てる人、ボールを失わない人が多くなり、さらに、ボールを受けようとする人が増えます。すなわち、「フリー」な選手が増えることに繋がります。

「フリー」の選手が増えれば増える程、ボールを持っている人のプレーの選択肢が増え、同時に判断のスピードも上がり、質の高いサッカーをすることができます。

つまり、自分が「フリー」となる状態をより多くするためには、技術レベルをもっと高めることが必要だということです。
では、どのようにすれば技術レベルをもっと高めることができるのでしょうか。

これまでのコラムの中で、何回も繰り返しお話していますが、サッカーの技術レベルは、子供の頃から、基礎の技術練習を毎日のように繰り返し続けること、繰り返しにより技術を自分のものとしてしっかりと身につけてこそ、将来の試合における確かな技術につながっていくものです。

もちろん、日本代表の選手たちはプロになって活躍している選手ですから、子供の頃からたくさんの練習をしてきているはずです。それでも、まだまだ、他の国の選手達には、技術レベルで力が及ばないということもあるということです。

自分が「フリー」の状態を多く作るためには、個人の技術レベルを上げる必要があり、毎日繰り返す基礎の技術練習の積み重ねが、最も大切だということを常に意識して、これからも練習をしていきましょう。

プロフィール

大石 鉄也

1979年11月26日生まれ。静岡学園高等学校から川崎フロンターレ入団。(在籍8年)川崎フロンターレ在籍時代に1年間、ブラジルグレミオに留学。2004年に現役を引退。現在は、子どもたちへの指導を行いつつサッカースクールカリキュラム開発及び指導者の育成にあたる。