コナミスポーツマスターインストラクター大石鉄也のサッカーコラム SOCCER COLUMN by Tetsuya Oishi

サッカースクールエリア対抗戦から

vol.36 | 2016/03

コナミスポーツクラブサッカースクールでは、スクール授業の一環として対抗戦を定期的に開催しています。
少年団・クラブチームとは異なり、スクールでは、チームとして対外的な試合をする機会がないため、定期的に試合をする機会を設け、子供たちには、試合を通じてよりサッカーの楽しさを実感してもらいたいと考えています。

そんななか、いざ試合となると、やはり、誰もみな勝ち負けが先行してしまいがちです。
勝ち負けに拘ることは非常に大切だと思っており、「勝つ喜びを実感する」、「勝つことで自信になる」、「負ける悔しさを実感する」、「負けることで更に努力しようと頑張れる」
など、勝ち負けの結果から学ぶことはたくさんあると思っています。

しかし、勝ち負けだけに拘りすぎてしまうと、子供たちは、チャレンジ精神が薄れ、同時に失敗を恐れ、プレーが消極的になってしまいます。
加えて、保護者もついつい応援に力が入りすぎてしまい、かえって子供に対して大きなプレッシャーになってしまうこともあります。

先にもお話したとおり、勝ち負けの大切さは、十分に理解しています。そのうえで、コナミスポーツクラブサッカースクールの対抗戦では、勝ち敗けに拘ることよりも、普段の練習でやっていることを試合の中でどれだけ「積極的にチャレンジできるか」、「試合の中で発揮できるか」といったことを一番重視しています。

子供たちの年齢を考え、目の前の勝ち負けという結果よりも、試合においてどれだけ多くの子供たちが積極的にプレーできたかといったことが、今後、子供たちが成長していくために一番重要なことであると考えます。もし、勝ち負けだけに拘ったとしたら、その時点で上手な子供ばかりが目立ってしまい、まだ、はじめたばかりの子供や、今はまだ思うようにプレーできていない子供は、なかなか、試合に入り込んでいけず、出場の機会にも恵まれないといったことが起きてしまいます。
そのため、対抗戦における選手交代は、子供たちの出場時間が極力均等になるように行い、参加した子供たち全員が試合の中で均等にチャレンジできるチャンスを作るようにしています。

子供が楽しいと思える時は、自らが自然に一生懸命に取り組んでいる時だと思います。 サッカーも同じく、試合に積極的に参加していくことで、サッカーの楽しさを今以上に実感すると思っています。そのためにも、指導者は、積極的にチャレンジする環境を作っていく必要がありますので、これからの対抗戦も子供がチャレンジしやすい雰囲気を作っていきたいと考えています。

そんな思いで開催する対抗戦の中で、先日、あるエリア対抗戦を見た時に感じた子供たちの成長についてお話したいと思います。
率直にいうと、子供たち一人一人の技術は非常に成長しています。
以前までの対抗戦では、試合中にボールをただ蹴っているだけで、ドリブルなどする子供はあまりいませんでしたが、今回は無駄にボールを蹴らずに、思った所にボールを運ぼうと、積極的にドリブルすることができていました。
これは、先月お話させていただいたレベル評価制度のドリブルに対して、子供たちの意識が高まり、日々のドリブル練習に一生懸命打ちこんでいる成果です。
子供たちも思った所にボールを運べたり、相手をかわせたりできることで、サッカーの楽しさがわかってきています。何よりも、サッカーにおけるドリブルの大切さがだんだんとわかってきています。
年齢と共に技術が身に付いてくることで、サッカーの楽しさを今以上に感じることができるようになります。これからも子供たちがよりサッカーを楽しいと思えるように、技術を身につけるための指導をしていきたいと思います。

プロフィール

大石 鉄也

1979年11月26日生まれ。静岡学園高等学校から川崎フロンターレ入団。(在籍8年)川崎フロンターレ在籍時代に1年間、ブラジルグレミオに留学。2004年に現役を引退。現在は、子どもたちへの指導を行いつつサッカースクールカリキュラム開発及び指導者の育成にあたる。