コナミスポーツマスターインストラクター大石鉄也のサッカーコラム SOCCER COLUMN by Tetsuya Oishi

ロナウジーニョとの出会い

vol.8 | 2013/11

だいぶ寒くなってきましたね。サッカーをする上で体調管理は大事ですから、意識しながら生活していきましょう。さて、今回は元ブラジル代表のロナウジーニョ選手(現アトレチコ・ミネイロ)のお話をします。実は私がブラジル留学をしていたとき彼とチームメイトでした!

ロナウジーニョは当時、身体が細く丸刈りで、あどけなさの残る高校生でした。しかし技術レベルは既に並のプロ選手以上だったため、トップチームに混ざって練習していました。一緒に練習をしてみると、その技術に驚きの連続です。リフティングにドリブルと、本当にボールが足に吸い付いているかのように自在にコントロール。無名の高校生でこれほどまでにうまい選手がいるのかと目を見張りました。

彼は性格も非常に明るく、とにかくサッカーボールをいつも触っていました。ウォーミングアップのブラジル体操でもリフティング、皆が休憩しているときもリフティング、練習後も最後まで残ってボールを蹴り続けていて、まるで漫画の「キャプテン翼」を見ているようでした。

しかし、ロナウジーニョは試合には全く出場できませんでした。技術レベルが図抜けているにも関わらず、です。理由は身体が小さく線が細かったため、競り合いで当たり負けてしまうことが多かったからです。「高校生の体格だから仕方ない」とスタッフは言っていましたが、彼は試合に出たくてたまらなかったに違いありませんでした。

その証拠に、彼は練習で身体の大きな選手に何度も何度もドリブルを仕掛けていました。体格の差によって競り合いで飛ばされても、自分の技術を最大限に使って立ち向かっていたのです。そして数年後、ロナウジーニョの名前が世界中に知られるようになったのは皆さんがご存知の通りです。

何を言いたいかというと、現状の体格差を気にしすぎないでほしいということです。子供の頃は体格の違いや足の速さがプレーに反映されやすいですが、大人になれば自然にある程度のパワーがついてくるので、そこまで問題ではありません。だからこそ子供のうちにボールコントロールをしっかりとマスターしておく必要がありますし、長い目で見て今の練習の意味が理解できると思います。ロナウジーニョも体格で負けていた分、技術で勝とうと必死にアイディアをひねり練習したからこそ、大人になって素晴らしい活躍ができるようになったのです。

私は「リフティングが大切」と、普段から指導しています。リフティングはサッカーの全てに共通する練習です。あれほど上手なロナウジーニョでさえ毎日リフティングはしています。技術が身につきやすいのは子供のうちです。1日15分でも良いからリフティングを続けてみてはいかがでしょうか。

プロフィール

大石 鉄也

1979年11月26日生まれ。静岡学園高等学校から川崎フロンターレ入団。(在籍8年)川崎フロンターレ在籍時代に1年間、ブラジルグレミオに留学。2004年に現役を引退。現在は、子どもたちへの指導を行いつつサッカースクールカリキュラム開発及び指導者の育成にあたる。