コナミスポーツマスターインストラクター大石鉄也のサッカーコラム SOCCER COLUMN by Tetsuya Oishi

ブラジル留学体験談2

vol.5 | 2013/08

夏休みは満喫していますか?いつも以上にサッカーに打ち込める時期ですから、どんどん練習しましょう!さて、前回に続いて今回もブラジル留学のお話です。

日本のクラブチームと同じように、ブラジルでも各世代でチームが分かれています。日本でいう小学生が「インファンチュウ」、中学生が「ジュベニール」、高校生が「ジュニオール」、その上がトップチーム(プロ選手)です。しかし上手い選手は年齢にかかわらず、どんどん上のカテゴリーに昇格していきます。ブラジルは実力勝負の世界なので小学生の時から全員が必死になって取り組みます。指導者に認められれば昇格、ダメと判断されれば脱落という厳しい環境なのです。だからこそ子供たちはプロ選手という夢に向かって、強い気持ちでトレーニングに打ち込んでいます。

各世代で練習環境も全く違います。トップチームはホームスタジアムの敷地内で練習を行いますが、それ以外はスタジアムに集合してから決められた練習着に着替え、バスで移動してから練習していました。練習着はプロ選手の使い古しで、ボロボロで薄い生地のゲームシャツにサッカーパンツ姿。冬は見ているだけで寒そうでした。日本はプロ選手から小学生まで練習着がキチンとしたもので統一されていていますが、ブラジルではトップチームに上がるまでは厳しい環境の中で耐えて頑張るしかないのです。

小さい頃から夢を持ち、楽しいことや辛いことをたくさん経験しながら、自分の夢に向かって毎日必死に頑張っている子供たちを見て非常にたくましく思えました。夢が叶う、叶わないは別として、厳しい環境であきらめずに限界まで頑張ることは素晴らしいと思いましたし、それほど頑張れることができるのは、心からサッカーが好きだということでしょう。国によって環境が違うのでブラジルの真似をしなさいとは言いません。しかしサッカーが上手くなりたいのなら、誰かに言われて練習するのではなく、自分から進んでボールに触るようになりましょう。そうやって練習を積み重ねることで、まるで体の一部になったかのようにボールが「なついて」くるのです。

私も小学生の頃は、少年団の活動がない日は近所の公園で日が暮れるまで友達とボールを蹴っていました。いま思い返せば、よくあんなに遅くまでサッカーをしていたな、本当にサッカーが好きだったなと思います。もちろん今でも好きですよ! 好きだからこそ色んな壁を乗り越えることができましたし、必死に練習した成果が発揮できたときの喜びは何事にも変えがたかった。その喜びがまた、私をボールに向かわせました。ブラジルで再認識したのは、サッカーを本当に心から好きだと思う気持ちが一番大切ということ。日本の子供たちに毎日ボールを触る習慣がついてくれば、日本から多くのビックプレイヤーが出てくるのではないかと、私は楽しみにしています。

プロフィール

大石 鉄也

1979年11月26日生まれ。静岡学園高等学校から川崎フロンターレ入団。(在籍8年)川崎フロンターレ在籍時代に1年間、ブラジルグレミオに留学。2004年に現役を引退。現在は、子どもたちへの指導を行いつつサッカースクールカリキュラム開発及び指導者の育成にあたる。