TOPページコナミスポーツ水泳競技部 藤井 拓郎コーチインタビュー

コナミスポーツ水泳競技部 
藤井 拓郎コーチ

日本代表を経験し、現在はコナミスポーツ水泳競技部のコーチを務める藤井 拓郎コーチに、子どもの頃の思い出や、教える立場となった現在の思いなどを聞いてきました!

負けて当たり前の立場で挑戦していけるのが楽しかった

いつごろ水泳を始めましたか?

3歳から始めたと親からは聞いています。その時の記憶がないのでなんとも言えないですけど(笑)。2つ上の兄がいて、いつもその兄にくっついていくことが多かったので、兄が水泳をはじめるタイミングで僕も一緒にはじめました。
最近は分からないですけど、当時は水泳をやる子どもが多かったように思います。

それでは初めてのレッスンのことも覚えていないですよね?

そうですね。ただどうやらすごく水を怖がったらしいです。

スクールに通い始めてからは、
「自分は水泳に向いているかも」という意識はあったんですか?

そうですね。チームの中ではできる方という意識はありました。周りから「お前すごいな!」と言われて育ってきたので、「もしかしたら水泳、得意なのかな?」という錯覚もあったかとは思います。子どもながらに「いい誤解」が生まれていたんだと思います。
僕はコーチから、水泳に関する事で叱られた事が1回もなかったんです。
恐らく叱りたい事はあったんだと思いますが、そんな環境でやらせてもらえたのは本当に感謝しています。

では得手不得手は別にして、水泳は好きでしたか?

そうですね。いい結果を出すと周りに褒めてもらえるのが嬉しかったです。水泳はジュニアオリンピックに出られると地方では英雄扱いされるんですよ。僕はそれになんとか出場することができたんですけど、そうしたこともモチベーションにつながっていたと思います。ただ、実際に出場すると、下から数えたほうが早いくらいの成績なんですけどね(笑)

そんな幼少期の水泳生活で特に印象に残っている思い出はありますか?

所属チーム内で僕が進んだ「選手コース」に残ったメンバーが、他の小学校に通う子たちばかりだったんですよ。なので学校とは別の友達と水泳以外でもよく遊んだのは覚えていますね。

悔しい・辛い思い出はありますか?

よく聞かれるんですけど、僕は比較的プラス思考なのかもしれないです。もともとエリートってわけではないので、子どものころは大会で1位になることなんて滅多にありませんでした。ただ、負けながらも、例えば10位が9位に、という様に順位が徐々に上がっていくのが楽しかったり、自己ベストを更新するのが楽しかったりという感じだったので、辛い思い出というのはあまりありません。

それでいえば選手になってからの、ロンドンオリンピックの舞台はめちゃくちゃ怖かったです。その4年前の北京オリンピックでは4×100mメドレーリレーのバタフライで第3泳者だったんですけど、ロンドンは自由形で最終泳者だったんで、最後ってのはものすごくプレッシャーでした。

スポーツ選手は負けず嫌いな方が多いイメージだったので、なんだか意外ですね

逆に負けるのが楽しかったですね。自分よりすごい選手と一緒に泳げるというのが好きだったので。追われる立場のほうが辛いんじゃないですかね。昔から先輩と泳ぐのが好きでしたし、負けて当たり前の立場で挑戦していけるのが楽しかったです。

それでは選手時代、スランプというものはありましたか?

僕はスランプがないって言われているほうなんですよ。かなり例外なので今の選手の参考になるか分からないですけど、初めて日本代表に選ばれたのは23歳の時なんです。これは競泳のなかではかなり遅いほうで、早い選手は高校生で日本代表入りしますし、女子選手は中学生で日本代表もいますから。

僕は大学を卒業してから日本代表に選ばれて、そのあとも成長し続けて、実は27歳まで自己ベストが出なかったことがないんですよ。元々レベルが低かったっていうのもあるとは思うんですけど、これは珍しいことだと思いますね。

だから子どもの頃一緒にやっていた選手たちは「まさかあいつがあそこまでいくとは思わんかった」って言うと思います(笑)

他人との勝負はもちろん、
妥協せず・自分に勝つということを鍛錬できるスポーツ

子供のころから水泳をやっていて良かったと思うことはありますか?

水泳は怪我をするリスクがかなり低いのではないかと思います。なので継続してできるというのはいいと思いますね。

体育でも水泳の授業はあると思いますが、スクールに通うメリットはなんですか?

別の学校の友達ができるというのは良かったと思います。

私生活面では何か水泳をやっていてよかったということはありますか?

水泳の魅力って、他人との勝負はもちろんですけど、記録を更新するための自分との戦いでもあるんで、妥協せず・自分に勝つということを鍛錬できるスポーツなんです。それは勉強にも生かせると思いますし、そうした対相手・対自分という二面性があるのがいいところだと思います。

藤井コーチが選手として大成していくのを、ご両親はどのように思ったのでしょうか?

二人とも水泳をやっていたわけではないので知識もありませんし、練習はもちろん、大会の時も僕のレースを見るわけでもなく、送り迎えだけでしたけど、徐々に僕のレースを観にくるようになりましたね。

僕が引退した今になって、僕以上に水泳に興味を持ちはじめたようで、勝手に全然知らない子たちの水泳大会とか観に行ってるらしいんですよ(笑)

現在コーチとして選手を指導する上で、何か心がけていることはありますか?

今教えているのは各世代でも高いレベルのメンバーが集まってきているので、みんなある程度の覚悟は決めていますし、他人にやらされているというよりは自ら速くなりたいと思ってきているので、変に叱らないようにしています。
なるべく良い所をたくさん伝えて、その中で直したほうが良い事を言ってあげるという事を意識しています。

それでは最後に、これから水泳を学びたいお子さま、
水泳を学ばせたい保護者の方々にメッセージをください。

子どものころって成長する上でメンタリティが一番大事だと思います。技術が多少低くても、知識が備わってくれば技術なんてすぐに上がってくるので、「水泳が好き」という気持ちを忘れてほしくないですね。
仮に水泳を辞める時がきても「水泳って楽しかったなー」と思えるのが一番だと思うんです。オリンピックに行くだけがすべてじゃないので、やっぱりみんな好きではじめたものなら好きなまま終わってほしいです。

水泳
藤井 拓郎
生年月日 : 1985年4月21日
出身地 : 大阪府河内長野市
過去の戦歴

2012年 第30回オリンピック競技大会(イギリス・ロンドン) 男子4×100mメドレーリレー銀メダル
2013年 第15回世界水泳選手権大会(スペイン・バルセロナ) 男子4×100mメドレーリレー銅メダル
2014年 第17回アジア競技大会(韓国・仁川) 男子4×100リレー銀メダル
2016年 第31回オリンピック競技大会(ブラジル・リオデジャネイロ) 男子4×100mメドレーリレー 5位