全国でただひとつの国立体育系大学に潜入 数多くの日本代表選手を輩出する「自転車競技部」その強さの秘訣に迫る
国内唯一の国立体育大学「鹿屋体育大学」(鹿児島県鹿屋市)内にある「スポーツトレーニング教育研究センター」と「スポーツパフォーマンス研究センター」。あらゆるアスリートの身体の動きを最先端機器で測定し、競技力向上につなげているこの施設は日本全国からトップアスリートを目指す学生が集まります。
中でも施設を利用している「鹿屋体育大学自転車競技部」は、全国でもトップクラスの実績を誇り、今まで58名の全国チャンピオン、40名を超える日本代表選手を輩出しています。
大学自転車競技の名門チームである同部が、コナミスポーツ「エアロバイク® POWER MAX」を導入したトレーニングを積極的に行っておられるとのことで、今回は「鹿屋体育大学自転車競技部」の監督である黒川剛氏、選手の徳田匠さん、岸田剛さんに詳しいお話を伺いました。
鹿屋体育大学自転車競技部とは
自転車競技部は1992年に鹿屋体育大学サイクルスポーツ研究会として誕生し、1995年に現在の鹿屋体育大学自転車競技部に昇格した。
現在の部員は27名の選手と4名のスタッフで構成されている。
国立大学法人鹿屋体育大学は、スポーツ・身体運動を通じて創造性とバイタリティに富む有為の人材の排出と体育、スポーツ学分社における学術・文化の発展と国民の健康増進に貢献することを目的とした全国でただひとつの国立の体育系大学。
ここまで、非常に多くのプロ選手やトップアスリートはもちろんのこと、コーチやトレーナーといったスポーツ指導者、スポーツ管理運営者、スポーツ研究者といった日本のスポーツの発展に寄与する様々な人材を多数輩出。
充実したトレーニング施設と、強い選手を育てる環境とは
早速ですが、黒川監督にお話を伺っていきたいと思います。日本で唯一の国立体育大学である貴学ですが、その校風、特徴について教えてください。
黒川監督
地方にあるためのんびりしていますが、地元志向の強い一般的な国立大学と違い、学生は全国各地から集まっています。この分野でしっかり頑張りたいと自覚を持った学生が多く、明るくまじめな感じです。良くある体育会系の雰囲気も無く、学内で会うと来客でも構わず挨拶をするのが伝統です。
自転車競技部に所属している選手の共通点があれば教えてください。
黒川監督
チームの理念である「日本の自転車のメジャー化」「その為の人材育成」を理解して、個人としても動ける。明るくて仲が良い。上級生が下級生の面倒をしっかり見る。選手としての向上心が強い点です。
次に施設面に関してお聞きします。トレーニング施設(ユクサおおすみ海の学校)がかなり充実されていますが、それに加えて「エアロバイク®POWER MAX」を導入される事となったきっかけを教えてください。
黒川監督
台数が足りない上に、経年劣化が進み喫緊の課題でした。
実際のトレーニングは勿論、研究データの収集にも不可欠で有り、今回の施設整備の一番最初に取り組む課題として考えていました。
「ユクサおおすみ海の学校」は、廃校となった「鹿屋市立菅原小学校」の建物を利用し、中長期の体験型宿泊施設として生まれ変わりました。その一角にある元「体育館」を利用して、自転車競技部のトレーニング施設として活用されており、「エアロバイク®POWER MAX」をはじめとした機器を導入し、選手の強化が行われております。
自転車競技部 その強さの秘訣、指導法に迫る!
数多くの強豪選手を輩出する自転車競技部の強さの秘訣を教えてください。
黒川監督
練習有るのみ!
但しよく考えて・・・自ら志を持って取り組めば確実に強くなる。
「No Attack No Chance」レースでもトレーニングでも勇気を持って飛び出し自分をいじめ抜けるかにこだわる。レースでは勝ち負けよりも内容を評価するため、選手は思いきって飛び出せるのだと思います。
タイムを少しでも縮めるために大切なことはなんですか?また、どんなことを意識して日々トレーニングに打ち込まれていますか?
黒川監督
チームとしては細かい科学トレーニングを導入する場面が多々あるが、実際にはデータでは表せない部分も多い。
講演・取材などで科学トレーニングの話をすると「今時、精神論は古いですよね?」と意見を求められるが、「一番大事なのは精神論ですよ(笑)」追い込み我慢できないと強くなれないので強い精神は必要だと思う。「エアロバイク®POWER MAX」を用いた、細かく狙ったトレーニングも過酷なものばかりなので、精密なマシンと、根性の融合が必要だと考えて追い込める環境を作っています。
精神論を支えるのは選手、監督間での信頼関係があってこそのもの。そしてモチベーションを「勝ち負け」のみにフォーカスしない、ということが大切なのかもしれません。
「エアロバイク®POWER MAX」を使用してみて
実際に使用している選手の生の声を聞きたく、中長距離の学生強化責任者徳田匠さん(3年/主将)(写真:左)短距離責任者の岸田剛さん(2年)(写真:右)のお二人にも話を伺いました。
「エアロバイク®POWER MAX」を導入する前と後でなにか変化はありましたか?
徳田選手
雨天時やダッシュ系のメニューを行うのに、とても効率的にトレーニングができるようになりました。以前は数台のローラーや数少ないトレーニング器具を使い回しだった為、どうしても休憩が長くなり、全員が同じメニューをこなす事が出来ませんでした。
個人的にはその効率的なトレーニングの成果から先日、1kmタイムトライアルにて自己ベストを0.6秒更新することが出来ました。
岸田選手
導入する前は「エアロバイク®POWER MAX」が1台しかなくて1人ずつしか乗れない状態でしたが、5台あることによって待たずに乗ることができるので、より多くの練習ができるようになり、パワーが向上したことです。
自転車競技部のメンバー達は「エアロバイク®POWER MAX」をどのように評価されていますか?
徳田選手
中長距離の場合、瞬発的なトレーニングメニューに加え5~20分など踏み続けるメニューにも使用させて頂いていて、自分に合った負荷設定で常に見える回転数が走行中の目標値になり、質のいいトレーニングに繋がっているというような評価があります。
岸田選手
自分に合った負荷を設定することが簡単なのでスムーズに練習を行えると評価しています。
様々なトレーニング器具がありますが、他のトレーニングと比べて「エアロバイク®POWER MAX」が優れている点を教えてください。
徳田選手
まず、ポジションのセッティングが細かく出来るので、実際に使用しているbikeとほぼ同じポジションでのトレーニングが可能になるところが優れています。
また、正確な値が出るのでパワーでの目標設定がしやすい所もモチベーションに繋がります。
岸田選手
ポジションが変更しやすくとても乗りやすい状態で乗ることができます。そして高負荷での練習も可能なところです。
「エアロバイク®POWER MAX」の導入を考えている人、団体になにかアドバイスが有ればお願いします。
徳田選手
低強度の汗をかく程度の運動から高強度のトレーニングまで幅広い種目層に使える優れものだと思います。
また、細かいポジションのセッティング可能なので、自分に合った体制で怪我をしにくいトレーニング器具です。
岸田選手
とても乗りやすくメニューなども独自に作れ、様々なことに挑戦でき自分を追い込むことができます。走り終わった後の記録を残しておけば自分の成長度合いも確認することができるのでとても良い機材だと思います。
「エアロバイク®POWER MAX」が選手の強さを引き出す機材として、トレーニングの現場で活躍している様子を窺い知ることができます。
日本の自転車をメジャー化させたい
自転車競技部を率いる黒川監督は「日本の自転車のメジャー化」と「人材育成」をテーマに様々な挑戦を継続されているとお聞きしました。
「世界を相手に活躍できる選手を輩出し、自転車競技をメジャースポーツにすること」をモットーとされている自転車競技部ですが、グローバルに活躍する選手を輩出するためにどのような取り組みを行われているのでしょうか。
黒川監督
大学の特長を生かした科学的なトレーニングを取り入れて成長してきました。マネジメント(チームビルディング)にもこだわり、ボランティアなどを通して地域密着を大事に活動を続けることで、選手としてだけでなく人材としての成長を促しています。
世界に目を向けた強化は勿論ですが、グローバルな人材になるためにも、協定校の韓国体育大学自転車競技部との相互交流(12月に来日受け入れ、2月に訪韓)をしているほか、2018年3月からはEFエデュケーションファースト社にチームスポンサーになって頂き、全部員が英語教育を受け始めています。
自転車の普及率自体は世界的に見ても上位に食い込む日本ですが、競技人口は諸外国に比べると伸び悩んでいると聞きました。理由はなぜだとお考えでしょうか?
黒川監督
登録制度の問題が大きいと思います。
JCF(日本自転車競技連盟)登録選手は1万人程度ですが、実際のサイクルスポーツ愛好者は一説には700万人とも言われております。
イベント運営の制度を変えて、多くの方々がレースなどの現場で楽しめるようにする必要があります。
「エアロバイク®POWER MAX」等の正確にデータが測れるマシンを使った、室内大会を全国で一斉に行うなどの新しいイベントも面白いと思います。
寒い時期の強化やケガを避けたい方々のニーズがある他、大量のデータが集まればナショナル候補になりうる選手の発掘にも役立つ筈です。
2020年に向けた自転車競技部の今後の展望を教えてください。
黒川監督
ロンドンに2名、リオに2名と、関係者から有力選手4名を出しているが、東京への見通しは日本チーム全体の枠取りを含め非常に厳しい。現在現役®OBOGのJCFトラック®ロード強化選手は10名前後いて、次の大会を目指して精進を続けています。
競技力に限らず、人間力、学力の教育にも力を注いでいる鹿屋体育大学自転車競技部。
目標に挑み続ける多くのアスリートをサポートするため、スポーツの現場で得た知見をもとに開発された「エアロバイク®;POWER MAX」。
国内生産で高い品質を誇る「エアロバイク®POWER MAX」は、様々なスポーツ競技でアスリートのパフォーマンスアップを実現させてきました。
これからもコナミスポーツは、「エアロバイク®POWER MAX」をはじめとしたエアロバイク®シリーズでアスリートを応援します。