1.鉄棒の前回りのコツ【横山選手のお手本】
鉄棒の前回りが出来るようになるためには、代表的な2つのコツがあります。「肘と背筋を伸ばして回ること」と「スイングの勢いを使って回りきること」です。
STEP1. 肘と背筋を伸ばして回ろう
①肘が曲がらないように、しっかりと腕を伸ばし、身体を持ち上げます。
②頭が天井の方に伸びるように意識して、背筋を伸ばします。
③鉄棒をしっかりと押しながら、回ります。
④しっかりと腕と背筋を伸ばしたまま、上半身を前に倒していきます。
STEP2. スイングの勢いで回りきろう
①頭が鉄棒の下を回る際、スイングの勢いがなければ身体は落下して足をついてしまい、うまく回り切ることができません。
②スイングの勢いを使って上体を起こし、回り切りましょう。
POINT 頭の重みを使って、振り子のように身体を回す。
2.鉄棒の前回りの正しい教え方のコツ
STEP1. 背筋を伸ばして大きく回ろう
鉄棒で前回りをするとき、背中を丸めて小さく回ってしまうと、スイングの勢いがつかず、回りきる前に身体が落下してしまいますので、背筋を伸ばして勢い良く、大きな動作で回る練習をしましょう。
①補助者はお子さんの正面に立ち、両腕で肩を支え、ゆっくりとお子さんの回転をサポートしましょう。
POINT お子さんは肘が曲がらないように、しっかりと鉄棒を押す。
②お子さんは腕と背筋を伸ばしたまま、姿勢を倒していきます。
③まっすぐの姿勢のまま、水平から90度回ったところで、おへそを見るようにして身体を丸め、回りきるイメージをもちながら、ゆっくりと着地しましょう。
④この練習を繰り返し、背筋をまっすぐ伸ばし大きな動作で回る感覚をつかみましょう。
STEP2. スイングの勢いを身に付けよう
身体を落下させることなく前回りを回り切るには、元の位置に戻ってくるためのスイングの勢いが必要です。
①前回りを回りきるために必要なスイングの勢いをつけるために、頭を大きく動かす練習をしましょう。補助者はお子さんの横に立ち、肩と膝の裏を持ち、お子さんの身体を揺らしていきます。
②身体が水平まで起き上がったところで、お子さんは顔を上げ、目線を前に向けましょう。
③そのまま勢い良く回転しながら、90度まで回ったらおへそを覗き込むようにして、回り切る勢いをさらにつけます。
POINT 「前を見て、おへそを見る。」を何度も繰り返し、スイングの勢いを付けること。
④「前を見て、おへそを見る。」を繰り返し行い、スイングの勢いがついたら、補助しながら回りきります。補助者はお子さんの背中を押しこみ、回転前の腕支持姿勢に戻れるようサポートします。
POINT補助者はお子さんの背中をしっかりと押し込み、回転をサポートする。
⑤起き上がりのとき、お子さんは腕にしっかり力を入れて、鉄棒を押し下げるように肘を伸ばして回りきり、元の腕支持姿勢に戻りましょう。
3.「鉄棒の前回りのコツ」まとめ
横山選手の正しいお手本と練習方法、前回りの教え方のコツはいかがでしたか?最後に鉄棒の前回りのポイントをおさらいしましょう。
- ① 肘が曲がらないように、しっかりと腕を伸ばすこと。
- ② 背筋をしっかり伸ばしたまま、身体を前に倒して回転すること。
- ③ 頭の重みを使って振り子のようにスイングの勢いをつけること。
- ④ スイングの勢いを活かして、スタートの姿勢(腕支持姿勢)へ戻ること。
正しい鉄棒の前回りをマスターすれば、これから習得する技の精度がより高まります。スイングの勢いをつけて、大きな動作で回り切る感覚をつかむまで、繰り返し練習するとよいでしょう。