THE VOICES

2010年冬、全世界を飲み込み、過去と未来を繋ぐ巨大プロジェクトが、ついに結実の時を迎える。プロジェクトの名は『キャッスルヴァニア ロード オブ シャドウ』――ゲーム文化に素養のある者であれば、この名が持つ重みを知悉しているのではないだろうか。『キャッスルヴァニア』とは、言わずと知れた伝説の名作『悪魔城ドラキュラ』の英題に他ならない。『ゴッド・オブ・ウォー』の監督であるデヴィッド・ジャフィーをはじめ、世界中のゲームクリエイターに多大な影響を与えたその『キャッスルヴァニア』が、ハイエンドマルチプラットフォーム作品として、『メタルギア ソリッド』シリーズで名高い小島プロダクションと、スペイン気鋭の開発集団、Mercury Steamの手により、新たな解釈で今、新生《リ・ボーン》を果たすこととなった。本年6月に催された世界最大のゲームの祭典Electronic Entertainment Expo、8月にドイツで行われたgamescomではトレーラー映像と共に体験版を公開。ファン投票で選ばれたGameSpot People's Choice Award、アクションゲームとしての質を評価するJeux Video Best Action Game、さらにはGamingXP Best of gamescom(アクション部門)、GamesRadar Reason to Liveと、多数の賞を獲得。日本独自の感性から生まれた名作の血脈が、真のゴシックを体現する世界最高峰のグラフィック、さらに日本を代表する豪華声優陣に彩られ、新たなるダークファンタジー超大作として今、鬨の声を上げる!

Interview with David Jaffe デイヴィッド・ジャフィー氏(「ゴッド・オブ・ウォー」監督)インタビュー

『キャッスルヴァニア』に出会ったのはいつでしたか?
「初めて『キャッスルヴァニア』をプレイしたのは10代の頃です。売り切れが続出していた『ドラキュラⅡ 呪いの封印』を探して彷徨い、プレイしてすぐに大好きになりました! ゲームプレイの難度は高かったのですが、フェアでプレイヤー思いなところが魅力でしたね。ステージで詰まったり、死んだりしても、少し考えれば絶対に進める方法があるとわかるんです。小さい頃から今に至るまでずっとホラーとアクションゲームが好きですが、そのコンビネーションを最も活かしたシリーズなのだと思います」
もっとも好きな作品はどれですか?
「『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』を挙げるのが一般的だと思うのですが、実は一番好きなのはゲームボーイアドバンスの『白夜の協奏曲』です。『ゴッド・オブ・ウォー』をデザインしている頃に遊んでいて、長時間プレイしても記憶に残るストーリーをどう導入するかについて学びました。マップ構成も良かった。プレイステーション2 とニンテンドー64の3D『キャッスルヴァニア』も好きでしたね。世界観や新しいトラップ、モンスター、そして何よりクールなホラーとしての魅力を楽しませてもらいました」
『キャッスルヴァニア』の魅力はなんですか?
「ホラーとアドベンチャーの完璧なコンボ、これには勝てません! それからマップの解読、探索の案内、経験値によるレベルアップなどのマクロシステムと、ストレートなアクションゲームがお互いを支え合っていることです。メタとコアの要素が両方とも単純、または複雑であった場合は、ゲームが成り立たないとぼくは信じています。『キャッスルヴァニア』はマクロな要素とゲームの一瞬一瞬の面白さのバランスが完璧に成り立っているのです」
クリエイターとしてどんな影響を受けましたか?
「僕が『キャッスルヴァニア』から学んだのは、ユーザー自身が考えてプレイすることの重要さです。マップと睨めっこし、次は一体どこに行けばいいかを考えていたことが、楽しい思い出として強く記憶に残っています。『キャッスルヴァニア』には様々な楽しみが詰まっていますが、一番楽しかったのはやはり、ただマップを見つめて頭を悩ませていたときだったのです! 最高のゲームプレイは、衝撃的なグラフィック、素晴らしい装飾のオブジェや見たことないような敵といったものよりも、ユーザーの脳を働かせることから生まれるんだと実感しましたね」
『ロード オブ シャドウ』に期待する理由は?
「期待する理由? 小島監督が関わっているからに決まってるじゃないですか! これは本当に夢のコラボレーションだと思います。『メタルギア』シリーズと『キャッスルヴァニア』シリーズの輝きには通ずるところがありますからね。どちらも状況、マップ、所有武器や装備品を見極めて、どう進むかの解決策をユーザーに考え出させるところが面白いんです。こうしたジャンルのリーダーとも言える小島監督の感性と、その感性にマッチした『キャッスルヴァニア』シリーズが組み合わされば、もう素敵な結果になるしかないですよ!」
最後にメッセージをお願いします。
「制作チームの皆さん、頑張ってください! ゲームが本当に好きで『キャッスルヴァニア』ファンである僕たちは、ゲームの歴史でも最も愛され、リスペクトされているシリーズの、次なる展開を熱烈に待っています! 僕たちにこの新作をくれてありがとう!」

Interview with Koji Igarashi 五十嵐孝司氏(「悪魔場ドラキュラX 月下の夜想曲」プロデューサー)インタビュー

シリーズに関わったクリエイターとして、新作の印象は?
「トレーラーを見ましたが、素晴らしいですね。グラフィックもいいし雰囲気も出ていると思います。僕の世界観とはまた違いますが、もともと『悪魔城ドラキュラ』には多くの方が関わっていて、統一されたイメージはないんですよ。だからこそこれだけ長くシリーズが続いてきているんだと思います」
それでは、シリーズ共通の魅力とは?
「自分が『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』を担当した際に意識したのは、アクションゲームとして面白いものを創るということでした。当時はビジュアル先行のゲームが多く出てきていましたが、ゲーム性重視というのはシリーズの魅力として引き継いだ部分です。それから世界観。もともと第一作から『悪魔城ドラキュラ』はプレイしていて、ドラキュラという題材ならではの、ゴシックホラーの世界観は魅力に感じていたんです。そこも共通の魅力として活かしました。今回の『ロード・オブ・シャドウ』にも共通する部分だと思います」
現在はDL版の『ドラキュラ』を手がけているそうですが。
「『月下の夜想曲』は移植版ですね。『Harmony of Despair』は新作で、自分がやる予定ではなかったのですが、結局やってしまいました。6人同時プレイと画面の拡縮が特徴なんですが、ハイデフでドット絵を見たいよね、という遊び心が出発点だったんです。1ドットを1ドットとして表示すると、マップ全体の4分の1ぐらいが1画面に収まってしまいます(笑)。ぜひ、50インチぐらいのモニターで多人数プレイしてみてください」