ハードを越え、世紀を越え、前作を越える
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1999年3月。欧州での「メタルギア ソリッド」(以下、MGS)発売に合わせて渡欧していた小島秀夫は、「次回作は?」との現地ゲーム雑誌記者の問いに次のように答えた。「ユーザーの望むハードで、ユーザーが望むものを制作します」──。

そして翌年の2000年5月。その答えとなるMGS続編、PlayStation2専用ソフト「メタルギア ソリッド2 サンズ・オブ・リバティ」は、ロサンゼルスで開催されたゲームショウ“E3”のイベント内でついにベールを脱いだ。

「PSからPS2へとハードを越え、20世紀から21世紀へと世紀を越え、そして前作MGSを越える」というテーマのもとで制作が開始されたMGS2。その過程の中で初めて公開された予告編映像は、そのテーマ通り、前作を遥かに超越したクオリティで来場者を驚愕させた。E3来場者の投票によって各賞を決定する「E3アワード」にて「最優秀作品賞 (Best of Show)」を含む3部門を受賞。来場者達の興奮はインターネット、雑誌、TV、同年秋の東京ゲームショウなどを通じて瞬く間に全世界へと広がっていく。

続く翌年のE3 2001では新作映像とともにプレイヤブル(試遊用ソフト)を発表。前年度以上の絶大なる賞賛を受け、「Game Critics Awards 」において、「The Game Critics Award  Best of E3 2001  Best Console Game(家庭用ゲーム大賞)」他を受賞し、世間の期待がさらに高まっていることを確かに証明した。

だが、このE3を契機に小島秀夫は「MGS2 SUBMERGES (MGS2は潜航する)」というメッセージを残し、全てのパブリシティの前から姿を隠した──。


湿度や温度までも感じることができる空間
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PSからPS2へとハードを変えたことにより、驚異的に向上した表現能力。だが、小島秀夫はその“進化”を単にモデルやステージのポリゴンを数を増やすだけではなく、プレイヤーが自由にリアルタイムで没入できる、「触れることのできる空間」──あたかも温度、湿度や匂い、空気までも感じ取ることができるような空間を作り出すことを主旨とした。


後世に残すものは?
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純粋にアクションゲームとして面白いだけではなく、メタルギアシリーズに欠かすことができないもうひとつの要素は、テーマ性が込められた緻密なストーリーである。前作MGSで掲げられたテーマは「遺伝子の束縛からの脱却」であったが、今作品MGS2のテーマについて小島秀夫は次のように語っている。
「遺伝子で受け継がれないものは何によって受け継がれていくのか、それはデジタル社会でどう変わるのか。今作品のテーマは“魂(記憶)や生き方を後世に伝えること”なのです」

生命は種の鎖を後世に繋ぐ。その役割を担うのは遺伝子だけではない。
メタルギアソリッドは「2」をもって、初めて"完結"するのである。