白兎団本部放送

こんにちは、千代です。

昨晩生まれて初めて動画生放送というものを体験しました。
私は出演していないのですが…。
もぅ、本当に…どきどきしましたよ!!!
栗花落さんが、勢いあまって変な事を喋ってしまわないか…。

白兎先生もすぐ隣で目のやり場に困るような格好をしているし…
いつ、町の人がカラオケコンテナのドアを開け
お父様達の前に明るみに出てしまわないか不安で不安で
私、気が気でありませんでした。。。!

でも……。

正直言うと、本当に本当に楽しかったです。

こんなどきどきしたのって、私生まれて初めてかもしれません。
楽しくてどきどきするのってこういう事なんだって思いました。

栗花落さんの曲と歌、とても素敵でした。
屋上でさぼっていつも弾いている感じとは違って
何て言ったら良いのでしょう…凄く真摯な感じがしました。

放送中の栗花落さんを見ていて、あんな表情もするんだとか、あんな喋り方もするんだとか色々と驚きました。
そう考えると私栗花落さんの事、まだまだ知らない事だらけなんだなって思いました。

アリーシャさん、観てくれていたら良いですね!

コメント

夜風

コメントを見ていたら黒アリいっぱいいたぞ。
きっと、何らかの反応はしてくるだろう。

しかし、放送中のお前の顔はまさにざこちよ百面相だったな。
怯えたり、泣きそうになったり、驚いたり、びっくりしたり、笑ったり、考え込んだり…。
ころころ変わる表情を見ていたら原稿噛んだじゃないか。

そういえば、ざこちよ。
お前のピアノ夕方になるといつも旅館から聴こてくるけど最近少し毛色が変わったな。
定番の習い事クラシックみたいな感じではなかった。
あれ、いいと思うぞ。ロックだ。

千代

あ…あの演奏は、私ではないんです。
白兎先生が最近私のお部屋のピアノを弾いているんですよ。
それが、びっくりするほどお上手なんです。

曲も凄く素敵なので、何の曲なのか聞いてみたいのですが
曲とかではなくて、何て言うかその場の即興演奏みたいなんです。
それで私、益々驚きまして…どうしたらそういう風に弾けるのか聞いたら
真の魂を込めるだけだと言われました。

真の魂を込めて演奏する。
うーん、真の魂って何でしょう…。

とういうことで、「真の魂のピアノ修行」をすることになりました。
これもまた女将修行の一環…になるのか分かりませんが
白兎先生の言う、真の魂という言葉に何か気持ちがざわざわしました。

それに…昨日の栗花落さんのギターの演奏が素敵だったから
私も…私もピアノ素敵に弾けたらなと正直思ってしまったんです。

なんだかおかしなことに…

こんにちは、千代です。

アリーシャさん、私達の生放送をちゃんと観てくれていました。
昨日おにぎりの子、「もなか」さんと一緒に八萬館にいらっしゃったのです。
そして、私達とお話をして白兎団に入って頂ける事となったのです!

と書けば、私達の動画作戦が大成功したかのように思えますが…正確に書くとこうなります。

「ねえ……あほ毛いる?」
八萬館に訪れたアリーシャさんの最初の一言はこうでした。

急いで貴賓室にいる栗花落さんと白兎先生を玄関に呼んだら
「アンタ達のなんとか団。ほら生放送動画の。アリーシャ帝国に入れてあげてもいいけど。」
とアリーシャさんが言いました。
(白兎団に入るのでは無く、入れてあげるとは…どういう意味なのでしょうか。)
私が少し言葉の意味を考えてから返事をしましょうと、栗花落さんに目配せを送ろうとする前に
「私とざこちよがお前の帝国民になると、どうなる?ベース弾いてくれるのか、黒アリ」
と栗花落さんが答えていました。
「はぁ?アンタが帝国民になる…??」
栗花落さんの言葉を聞いたアリーシャさんは、みるみる血相を変えて不機嫌になってしまいました。
きっと栗花落さんが失礼な呼び方するからアリーシャさんは怒ってしまったんだと思います。

その後の会話はこんな感じでした。

私「…あの、栗花落さんは言葉遣いが少々ぶっきら棒なだけで決して悪気は無いんですっ!すみません!」
ア「……じょうきゅうげぼく。アリーシャが特別にアンタ達をじょうきゅうのげぼくに認めてあげるって言ってるの。」
栗「それで一緒にバンドできるのか?」
ア「そうよ。帝国拡大の為のバンド。そしてアンタ達はアリーシャのじょうきゅうげぼくとして手となり足となり音楽で帝国を広める活動をするの。オッケー?」
栗「オッケーだ。バンドできるなら何ら問題ない。ざこちよと一緒に今から喜んでお前のじょうきゅうげぼくとなろう。」
私「えっ?え…えーーーーーーーっ!?!?」

という事で、私達2人はアリーシャさんのじょうきゅうげぼくとなりました。
じょうきゅうげぼく…上級下僕ということなのでしょうか…。
立派な女将の修行どころか、私は今日から小学生お抱えの下僕となって、彼女の帝国拡大の為手となり足となる事となったのです。
一体、これからどんな未来が待っているんでしょうか…。

もう、これ全部何も考えずに返事する栗花落さんのせいですからねっ!

コメント

夜風

まあ、落ち着け、ざこちよ。
形はどうであれ、黒アリは白兎団に入ったと言える。
このタイミングを逃したらもうバンドを組める機会も無いだろう。

それで、ざこちよ。
じょうきゅうげぼくって具体的になにをするんだ?

千代

知りませんよっ!そんなことっ!
老舗旅館の女将となるべく、立派な人間にならなければいけないのに
バンドをする為に小学生のげぼくになるって…。
お父様が知ったら大変な事になります…はぁあ…。
そういえばアリーシャさんの隣で話を聞いていたもなかさん。
ずっとアリーシャの顔を見ながらにこにこしていて、とても嬉しそうでしたね。

夜風

おにぎりは何も喋っていなかったが、黒アリはおにぎりを相当信頼しているように見える。
おにぎりは楽器ができるか分からないが、アリーシャが帝国バンドの活動するとなれば一緒についてくる感じだったな。

とりあえず、この場所は黒アリにも教えておこう。

なんなのよここ

あほ毛が白兎団は最先端のブログで活動報告を記録しているとか言ってたから見に来たけど、何よこの田舎の廃材置き場みたいなページは…。

ブログって言ったら普通アメブロよアメブロ。
今どき小学生でも分かるじょーしきだわ、そんなの。

…ふんっ、がっかりね…。

生放送動画で、この町の住人の割には奇抜で面白い事やっていたから
ほっっっんのちょっぴりだけ感心したけど、蓋を開けたら子供だましもいいとこじゃない。

…アンタ達に少し期待してたアリーシャが間違っていたわ。
やっぱりアリーシャの誰よりも大きな夢を叶えるのは、この町じゃ難しいようね…。

いーい?あほ毛隊だか、ざこざこ団だかなんだかしらないけど
アリーシャ帝国直属のバンドをやるっていうのなら、せめてアメブロで活動報告しなさいってこと。

最低限そのくらいできなきゃ、アリーシャ帝国のバンドとして認めないわ。

…できなければ、アンタ達とのお遊びはもう終わり。
子供のお遊びに付き合っているほど、アリーシャは暇じゃないの。

ダ・スヴィダーニャ。

コメント

夜風

誰よりも大きな夢か。 すごくいい言葉じゃないか、黒アリ。

アメブロ…。

……。

む…全然分からないぞ。

九兵衛

今朝家を出て学校に行く時、「つゆり」と空から声がしたので見上げたら屋根の上に白兎が立っていた。
奴が「放課後ギターを持って白兎団本部に来い」と言うので、学校が終わってからギターを持って例の秘密基地に行った。

基地の扉を開けると白兎がノートパソコンを開いて何か黙々と作業をしていた。
私に気付くと、そこでシンクロフィッシュを弾いてみろと言うので私はギターをアンプに繋ぎマイクの前で歌った。

歌い終わって、しばらくすると私のギターと歌がスピーカーから流れ出した。どうやら白兎は演奏と歌をパソコンに録音していたみたいだ。

音も、この間生放送でビデオカメラで録ったものよりも断然良く録れていた。
ギターのシールドの先を眺めたらアンプだけでなく、パソコンにも繋がっていたから直接の音も録っていたのだろう。

その後白兎の隣に座って、奴がパソコンを色々操作するのを眺めていた。

驚いたことに白兎が操作をすると、私のギターと歌だけのシンクロフィッシュにシンセやドラムの音が次々に足されていく。あんな小さい箱から色々な音が出るのは、感動ものだ。
私がこういう音色がいいと言ったり、こういうリズムがいいとギターを弾きながら言うと白兎がボタンひとつでそれを実現してみせる。
これは凄いぞ…まさに魔法のソフトだ。
白兎が言うには、きゅうべえとかいう名前のソフトらしい。
九兵衛…やけに和風な名前だがとにかく凄いやつなのは確かだ。

とにかくこいつを使えば、これから色々音楽を作る事ができそうだ。
ざこちよピアノに私のギターや黒アリのベースを混ぜる事もできるぞ。

コメント

千代

わあぁ!なんだかとてつもなく凄そうです…九兵衛さんっ!
私も明日秘密基地で白兎先生に聴かせてもらいますね。

ええと、私のピアノは…まだ修練中ですので…置いておいて、
栗花落さんのシンクロフィッシュにアリーシャさんのベースが入ったものを、私とても聴いてみたいです!

亜理紗

パソコンで録音できゅうべえ…って何?アンタ達もしかしてCubase持ってるの!?
ふ、ふーん、げぼくのくせにDAW持ってるなんてちょっとはやるみたいね。

ま、アメブロさえ用意できないアンタ達にこのアリーシャがベースを弾くわけないんだけど。

箱庭の外

こんばんは、千代です。

今日も白兎先生のもとでピアノの修練をしたのですが、今とても不思議な気持ちでいます。

ピアノってこんなにも自由なものなんですね。

音を一つ一つに自分の気持ちを込めていけば、そこに新しい自分の姿を紡ぐことさえできると感じました。

私は、小さい時からずっとピアノは稽古事だと思っていました。先人の残した素晴らしい技芸をしっかり会得し熟達するまでひたすら努力を重ねるものだと思っていました。

ですが、白兎先生の言う「魂の修行」を重ねるうちに、ピアノは稽古事とは思わなくなりました。
格子状に区切られ整然と並ぶ鍵盤、12音の規則。その中でも1つ1つの打鍵が心の機微と重ねられるという事に少しづつ気づき無限の可能性を感じたのです。

修練を重ねた結果なのでしょうか。今日私はピアノを弾いている時にほんの一瞬だけですが広い世界に出た感覚に陥りました。それはとても広い世界、でも見渡す限り真っ白で何も無い世界。感動と驚きと恐怖をいっぺんに感じました。

ギターを弾くとつむじかぜが空気を切り裂いて外の世界が見えるんだ、って以前栗花落さんが言っていましたが、その気持ちがほんの少しだけ理解できた気がします。

この体験に私が戸惑った表情をしていると白兎先生に「どうだ、吉廻。それが箱庭の外の景色だ。」と言われました。

箱庭の、外…ですか。

コメント

夜風

最近のお前が弾くピアノの音、好きだ。
習い事の曲をやっている時と違って
何も纏わず何者にも染まってないお前の無垢な姿を感じるぞ。

千代

な、なんですかぁ!う、生まれたての私の姿って。
や、やめて下さい!
いくら幼馴染だからと言っても破廉恥な発言が過ぎますよ!

ですが、どこまでも続く何もない世界って怖いけど、確かに素敵ですね。
私、少しは栗花落さんに近づく事ができたのでしょうか?
…そうだと、いいな。

って、いやいや違いますよ!?
私は栗花落さんのように規則を守らずいつもふらふらして破廉恥な事を言う人になりたいわけではないですから。
今日も校則違反が6つもありましたし。はぁ…本当に問題児です。

そんな事よりも、アメブロの方はどうなんですか?
わ、私は駄目ですよ?栗花落さんよりもさらにパソコンの知識ないですから。

夜風

う…アメブロ…。考えると眠くなる言葉だな。
昨日の夜に調べてはみたが、途中で寝てしまった。
白兎のやつに聞いてもなぜか教えてくれない。

試練の刻

こんばんは、千代です。

白兎先生にピアノの修練の成果を皆の前で発表しろと言われました。

来週の月曜日に生放送「白兎団本部放送」を行うそうです。そこで皆様の前で私のピアノを発表しろと…。

突然そんな事言われても出来るわけないです。以前も言ったように、生放送を行うのは…良いですが…私は動画に出たくはありませんから。
そもそもです。私は風紀委員長として放送中に栗花落さんが公序良俗を乱したりしないか監視する役目として責任を果たすべく参加しているのですから。

ですが…。ですが、です!
よくよく考えてみると修練の成果を皆様に見て頂き
忌憚なきご意見を伺うのに、これはこの上無く良い機会かと思いました。
立派な女将として修行するには試練も必要です。重々それは承知しております。
人というものは数ある試練を乗り越えて成長するものです。

不詳、吉廻千代。お千代様から授かった名に恥じぬよう、放送まで精励恪勤しこの試練に挑みます!

コメント

夜風

ざこちよピアノを披露するのか、それは私も楽しみだ。 お前のピアノを皆に聴かせれば、私達のバンドに興味を持つ者も増えると思うぞ。

そういえば今日放課後秘密基地行った時、草むらに隠れて基地の様子を伺っている者達がいたな。
奴らは私の事に全く気づいていなかったが、頭隠しておにぎりかくさずってやつだ。

恐らく黒アリが九兵衛が気になっておにぎりを連れて様子見に来たのだろう。

いつまで待たせるのよ!

ちょっと、アンタ達!
げぼくのくせに一体いつまでこのアリーシャを待たせるつもりなのよ!

修練だかシュールストレミングだか知らないけど、一番だいじなことをおろそかにしてるなんて帝国の威圧的厳罰対象よ!

あれから2週間経ったのに、アメブロのアの文字すらできてないじゃないの!
もうっ、早くしないとアンタ達まとめてならくのけしずみにするわよ!

いい、繰り返すわ。

アリーシャが言いたいのは
さっさと、これくらいのものを作ってみなさいってこと。

ほら、よく見てみなさいよ。アリーシャレベルになると普通のブログじゃなくって有名人ブログよ。見なさい。ヘッダーに画像だって入れられちゃうんだから。 ふんっ。
ま、こんなの水力発電所カードをコンプリートする事に比べれば簡単すぎてあくびがでちゃうけど。

いい?分かったならアンタ達もさっさと用意しなさい。

コメント

夜風

なんだ、黒アリ。
お前が作れば解決という話だったのか。

昨日ざこちよと夜ずっと調べてて損したぞ。ふぁぁあ…寝不足だ。

千代

あの、調べてたのはわ・た・し・だ・け・で・す!
栗花落さんは隣でずっと寝てたじゃないですか…もぉ…。

でも、アリーシャさん、本当に凄いです!!
とても素敵なページ…ありがとうございます!!

亜理紗

ぇ…?なによ、アンタ達。

ば、ばっかじゃないの!ちっっっっ違うわよ!!
なんでアリーシャがげぼくの為にブログを用意しなきゃならないのよっ!
これは、あくまでも、さんぷるよさんぷる!

もなか

えへへ、やっぱりありさちゃんなのですっ☆
やさしいのです。。。もなかはしっているのです♪

亜理紗

ち、ちょっと!?もなかはここ見なくっていいって言ったでしょ!
…あほ毛やくわがた眼鏡から変な影響受けたら大変だわ…まったく。

夜風

くわがた…ってざこちよの髪型の事か。
確かにあれはくわがたのハサミのように開いたり閉じたりできるな。
黒アリお前、面白いな。

千代

ひどいです、栗花落さん…。