マジハロ豆知識
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2012/09/26
【 161 ルビーの決心 その7 】
ルビーは、こっそりと泣いていたつもりだったのに、アリスが気づいて、駆け寄って来ました。「ルビー、どうしたの?
ごめんね。
手伝ってもらっちゃって…
嫌だったよね?」
アリスの、泣きそうな顔を見たルビーの目から、大量の涙が溢れます。
私は、なんで、あんな事を考えていたんだろう?…と。
2012/09/26
【 162 ルビーの決心 その8 】
その時、奇跡が起こります!ルビーの頬をつたって、こぼれ落ちた涙が、下草を濡らした途端、それは、青白く輝く花を咲かせたのです。そう…、それが「月花」。一輪の「月花」が開花すると、次々に、他の花も咲かせ始め、たちまち、辺り一面に「月花」が。
「すごい!すごいよ!ルビー!「月花」がこんなに!」
2012/09/26
【 163 ルビーの決心 その9 】
ルビーは、見惚れていました。「月花」は、もちろん綺麗なのですが、それよりも眩しい、泥だらけのアリスの満面の笑顔に…。
2人は、そっと一輪だけ摘むと、急いでアリスの家に向かいます。
大切な「月花」はルビーが持って…。
アリスの部屋には、すでに錬金術の用意がされていました。
2012/09/27
【 164 ルビーの決心 その10 】
ルビーは、そっと、「月花」を魔法陣の真ん中に置くと、後ろに下がります。アリスは早速、錬金術を開始しました。
初めて見る術に、興味津々のルビーでしたが、アリスの唱える規則正しい呪文が心地よく、また、「月花」探索の疲れからか、いつしか眠りについていました。
2012/09/27
【 165 ルビーの決心 その11 】
朝。(と言っても「かりそめの夜」ですが…)ルビーは、疲れきってはいるけれど、ニコニコ顔のアリスに起こされます。
アリスの手には、青白く輝く水晶の様な石がありました。
「ルビー!出来たよ!コレは《お守り》。どんな事があっても、一回だけ、絶対に助けてくれるの!」
アリスは自慢気です。
2012/09/27
【 166 ルビーの決心 その12 】
「成功したんだね!よかった…」と言い終わる前に、アリスが、ルビーに、その《お守り》を渡します。「コレはルビーにあげる!
もし、わたしがいない時に、ルビーに何かあったら、この石が必ず守ってくれるよ!」
「でも、わたしと一緒にいる時は、絶対にわたしが、ルビーを守るからね!」
ルビーは、何も言えません。
2012/09/28
【 167 ルビーの決心 その13 】
ただ、ただ、涙が溢れて…。その涙は、ルビーの悩みを、きれいに流し去りました。
「そうだ!魔法使いになれなくったって、私にも出来る事がある!
アリスが、魔法使いのみんなが、そう言ってくれるなら、私は、魔法使いみんなの役に立てる事をしよう!」
この時、ルビーは、「自分の店を持とう!」と決意したのです。
2012/09/28
【 168 ルビーの決心 その14 】
ルビーは、アリスから貰った《お守り》をずっと大事にしています。胸元のリボンのペンダントに入れて、肌身離さず持っています。
後日談ですが…、
あの日見つけた「月花」の群生地は、今でもアリスとルビーの2人だけの秘密の場所なのです。
外の世界が満月の夜は、2人でほうきに乗って「月花」を摘みに行っています。
そして、その「月花」はファンタジアンの代表的な商品となっています。
2012/10/01
【 169 魔法の飛行方法 その1 】
マジハロの世界では、魔法の飛行方法は何種類かあります。一般的なものは、≪ほうき≫を使用する方法ですが、これにも種類があります。
「≪ほうき≫のみに揚力を与える」方法と、「術者と≪ほうき≫の両方に揚力を与える」方法です。
ちなみに、≪ほうき≫を使用するのは、「≪ほうき≫が一番揚力変換効率がいいから」です。
2012/10/02
【 170 魔法の飛行方法 その2 】
「≪ほうき≫のみに揚力を与える」方法は、術者自身には揚力が作用していない為に、乗りこなすには、テクニックとバランス感覚が必要となります。この方法は、一般的には、スピードが出せます。また、消費魔力も少なくて済みます。
しかし、精密で繊細な機動には、あまり向いていません。
例えるならば、スピードスケートのような感覚です。